衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018今年読んだこの本がすごい

Twitterで先に書いてしまったけど、今年読んで面白かった本。 感想を書いた本の方が多いので、リンクも貼りました。 彼女は頭が悪いから 作者: 姫野カオルコ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/07/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を…

今年読んだ本の事

今年読んだ本を数えたら126冊。 青空文庫の短いものや写真集要素が強めの本、ユリイカみたいなムック本もあるけど、100冊は超えたと云えるかな。よく読んだなぁ。 面白そうな本を選ぶようにして読んでいたら結果この数という感じ。今年は本が読める脳みそが…

人形たちとクリスマス

クリスマスっぽい写真を撮りました。 あまり人形たちを使って幻想的な何かというよりは、人間と暮らす人形という感じでお送りしております。 りーぬが心なしか不満げなのはブッシュ・ド・ノエルにできないツリーだからかしら?

読書する喜び『夜想#中川多理—物語の中の少女』出版記念展・京都巡回展

『夜想#中川多理—物語の中の少女』出版記念展・京都巡回展の感想を書いていないのを思い出したので、その感想。 少女とあるけれども、今回は男子率高め。ただ、男子という創作人形では比率的に多くはない造形で見せてくれることにより、作者の造形力や表現力…

始まりの話

創作人形が好きな人は一体、どこから入ってきたんだろう?という呟きを見かけたので、何度目かわからないけど最初の話。 私の創作人形好きはヴィジュアル系バンドから…ヴィジュアル系バンドミニコミのアプレゲールの人形特集が天野可淡、四谷シモン、吉田良…

私たちは道具です『侍女の物語』『オルガスマシン』

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫) 作者: マーガレットアトウッド,Margaret Atwood,斎藤英治 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2001/10/24 メディア: 文庫 クリック: 51回 この商品を含むブログ (42件) を見る 読了。 女性は財産も名前も没収という規則の世界…

私が堕ちずに済んだ地獄『彼女は頭が悪いから』

日本の事件をあまり調べないのは、自分と地続きな気がして怖いから。 彼女は頭が悪いから 作者: 姫野カオルコ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/07/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 読了。 東大生強制わいせつ事件をモデルに…

遠くの話しかと思ったら近かった『人形の誘惑』

本がはかどると嬉しいですね。 人形の誘惑―招き猫からカーネル・サンダースまで 作者: 井上章一 出版社/メーカー: 三省堂 発売日: 1998/11 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (14件) を見る 読了。 カーネル・サンダース人形か…

流行っている、なんだか新しいから食べてみたい『ファッションフード、あります。』

人並みに食べることが好きです。 ファッションフード、あります。 (ちくま文庫) 作者: 畑中三応子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/03/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 読了。 流行った食べ物アレコレ年代順。雑誌の力が強かっ…

春望物語

厄年ではあるけれども、酷いことが続く。 厄払いをしたのでこの程度だと思いたい。 今読んでいる本で李白と杜甫の話が出てきた。杜甫の漢詩「春望」は思い出せたものの、「国破れて山河あり」の後に「諸行無常の響あり」と平家物語をくっつけてしまったので…

幸せにしてはくれないが、己を律する『悪の箴言(マクシム)』

好きな作家の本を織り交ぜつつ読書の秋です。 悪の箴言(マクシム) 耳をふさぎたくなる270の言葉 作者: 鹿島茂 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2018/03/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 読了。 心に刺さる辛辣な箴言たち…

洛中洛外冷戦『京都ぎらい』

怨みはないが、ありがたがりすぎるのはどうかと思うんだ。 京都ぎらい (朝日新書) 作者: 井上章一 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/09/11 メディア: 新書 この商品を含むブログ (43件) を見る 読了。 京都市の洛外出身の著者による京都論。洛中…

精神科病院のちょっと事件ありの日常『緘黙』

好きな作家の本を選んで楽しいと嬉しい。 緘黙―五百頭病院特命ファイル (新潮文庫) 作者: 春日武彦 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/01/28 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (3件) を見る 読了。 3人の個性的な精神科医が…

自己文章愛の遍歴

ブログを書くのは数えたら10年以上続いた趣味になっていました。 途中で書かなくなった時期もありますが、完全に辞めずに復活しているあたりは続いているといえるんじゃないでしょうか。 過去のブログと傾向を自分用にメモしておきます。 「Eccentric Gorey…

恐怖を楽しめるのには理由がある『恐怖の構造』『恐怖の作法』

読んだ本とそこから思い出した以前読んだ本の話。 恐怖の構造 (幻冬舎新書) 作者: 平山夢明 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/07/30 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 読了。 ホラー小説家が恐怖について語った新書。今好きな作家だか…

襲撃者の昼『首狩の宗教民族学』

読書は娯楽なので、自分の興味がある本を読むようにしています。 首狩の宗教民族学 作者: 山田仁史 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/06/19 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 読了。 首狩について東南アジア、台湾を中心に書いた本。 …

『人形たちの白昼夢』に出てくる人形の容姿一覧

容姿を褒める意味での「人形のような」という表現が気になる人でもあるので、先日の本から考えてみる。 人形たちの白昼夢 作者: 千早茜 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2017/08/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る こちらの本に出…

絶妙な匙加減『人形たちの白昼夢』

人形モチーフの小説に手を出すなど。 人形たちの白昼夢 作者: 千早茜 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2017/08/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 読了。 人形と青いリボンが出てくる短編集。モチーフが好きなものにつき地雷を踏み…

そしてまた新たな価値観が生まれる『裸はいつから恥ずかしくなったか』

史学系の本を読んで発見があると嬉しいなぁ。 裸はいつから恥ずかしくなったか: 「裸体」の日本近代史 (ちくま文庫) 作者: 中野明 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/05/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 読了。 男女混浴の「下田…

復讐に至るは病『しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人』

困ったときは春日武彦の本を読む。 しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人 (角川oneテーマ21) 作者: 春日武彦 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2014/04/21 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 読了。 しつこさをテーマに…

普段目にしないものを見せてくれる『Satellite of LOVE』『着倒れ方丈記』

都築響一さんの本を読むとなんだか元気になるので、読みました。 Satellite of LOVE―ラブホテル・消えゆく愛の空間学 (ストリートデザインファイル) 作者: 都築響一,Alfred Birnbaum,アルフレッドバーンバウム 出版社/メーカー: アスペクト 発売日: 2001/03 …

カニバリズム『息子ジェフリー・ダーマーとの日々』、ネクロフィリア『死体と暮らすひとりの部屋』

私が知っている無駄知識が誰かの役に立つことがある。 しかし、誰かの役に立つことを求めて読書をしているわけではないので、今後も好き勝手に本を読みます。 息子ジェフリー・ダーマーとの日々 作者: ライオネルダーマー,Lionel Dahmer,小林宏明 出版社/メ…

現実対虚構『倒立する塔の殺人』

なかなか良い感じに読書がはかどっております。 倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫) 作者: 皆川博子 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2011/11/17 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (12件) を見る 読了 戦中~終戦のミッション…

私がだるまちゃんじゃなくなっても『未来のだるまちゃんへ』

後から知ることは多かれども、少しはあっているとなんだかうれしい。 未来のだるまちゃんへ (文春文庫) 作者: かこさとし 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/12/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 読了。 かこさとしの自叙伝。 少…

蟲毒のグルメ『ハンニバル』

前々から聞いていた話を確認するための読書でした。 ハンニバル〈上〉 (新潮文庫) 作者: トマスハリス,Thomas Harris,高見浩 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2000/04/12 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 195回 この商品を含むブログ (90件) を見る ハ…

毒を以て毒を制する『羊たちの沈黙』

フェルメール展に向けての私なりのアップ。 羊たちの沈黙〈上〉 (新潮文庫) 作者: トマスハリス,Thomas Harris,高見浩 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/01/28 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 25回 この商品を含むブログ (29件) を見る 羊たちの沈…

大越孝太郎と人形

先日の「容姿をほめる意味で人形のような…と使われるようになったのはいつ頃?」という話を頭の片隅に置いて生きています。 1911年が初出の童謡「人形」(私の人形は良い人形~♪って歌です)は人形の容姿をほめる歌なので、これ以降でもいけるのでは?という…

「人形」は「女の子」のものなのか:人形をめぐる近現代史

講義を聞くのは久々でした。 www.rikkyo.ac.jp こちらを聞いてきました。もちろん、人形というテーマに惹かれてです。 講師の吉良智子さんは日本美術史の研究者…から出発して現在はジェンダー史の研究者とのことです。 メモを取ったので、メモを観ながら、思…

人形の話『人形論』

意を決して読みました。 人形論 作者: 金森修 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2018/05/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 読了。 タイトル通り人形について論じた本。 「呪術」「愛玩」「鑑賞」を三頂点とし、物質性を頂点とした人形三角錐…

人形は人間を映す存在でもある『青い目の人形と近代日本』

つい語りたくなる本に出会うことができるのは読書の楽しみであると思っている。 青い目の人形と近代日本―渋沢栄一とL.ギューリックの夢の行方 作者: 是澤博昭 出版社/メーカー: 世織書房 発売日: 2010/10 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブロ…