史学系の本を読んで発見があると嬉しいなぁ。
裸はいつから恥ずかしくなったか: 「裸体」の日本近代史 (ちくま文庫)
- 作者: 中野明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/05/10
- メディア: 文庫
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読了。
男女混浴の「下田の公衆浴場」という図版を検証することから始まる日本における裸体の近代史。 裸体が不道徳になり、現在の価値観が形成されるまでの歴史。この価値観が形成される前とされた後の性的な話にも触れているのですが、こうして変態が出来たのか…と思う部分も。
裸が珍しくなかった江戸の人はシチュエーションや性器そのものに性的な興奮を覚えるという話が出ていました(ただしここは他の人の著書の引用)。
春画に子供が出てくるシチュエーションがあるのは知っていたのですが、これを知ったときに「インモラルすぎないか?」と思ったのですが、その辺も興奮する要素だったようです。
裸が恥ずかしくなったのは外国人が好奇な目でみてくるから、後に政府が取り締まったからですが、取り締まったら今度は下着泥棒や覗きなど、変態的な性欲が出てくるなど、思わぬ所で日本の変態の歴史を感じました。
一方で裸が恥ずかしくなってしまった明治以降の話で、黒田清輝の裸体画の下半身部分に布をかけて展示した話がありました。ここ最近でも同じような処置をされて展示された作品があったので、この国はあと何年経てば裸とうまく付き合えるようになるんだろう?と思うなど。
隠しているから観たいのであり、隠れているからエロになってしまう…上手くいかないものですね。
おまけ
うっかり裸で出歩いたら警察にお仕置きされてしまった男性の図。
「ごめんなさい、ごめんなさい」と警察に謝る男性が不憫ですが、こういうのたまにフェティッシュバーでみかけるやつーってなってしまいました。