衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

5周年。

りーぬと出会って5年になりました。

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宇野亞喜良カレンダーを背景に。

 

りーぬと6年目ということは、来年で小学校入学ぐらいの年月を過ごしていることになるの…末永く付き合える人形を探していたので、望み通りにはなっているということでしょうか。

 

ちなみにりーぬの作者である中川多理さんの展示は現在、浅草橋のギャラリー:パラボリカ・ビスにて開催中です(予約制)

www.yaso-peyotl.com

 

こんなこと云うのは俺ばかり『死の蔵書』『我らが影の声』『自由への一撃』『死の飛行』

ご無沙汰しております。

読みたかった文庫本を古書で買って積んでは崩して生きていました。

他の書評ではあまり見かけない、酷くて最低な感じで短い感想を書きました。

手軽に読めるはずなので、どうぞ。

 

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

やり手のせどりが殺された事件を追う古書が絡むミステリー。古書の蘊蓄はそれなりに面白いけど、チンピラの情婦にレイプされたかどうか認めさせるのに男性単身でしたやってこないで欲しいし、ハードボイルドと思ってやっている描写が全部デリカシーというか配慮なさ過ぎて読んでいてとても厭だった。

 

小説が戯曲化されて大当たりした青年作家とその周辺。ミステリーかと思って読んだら「はい、この世界はホラーです。テメェはセックスしたからアウトな!」という話だった。

もっと筋道通った展開になるんじゃ無いかと思ったら、そんな事なかったし、本当にセックスしたからアウト、ホラー的に酷い目に遭ってもらいます!って感じなんだよ…。

 

 

短編ミステリーのアンソロジー。読むタイミングじゃなかったのか、やっぱりミステリーは不得手なのか、かなり苦戦。

マーガレット・ミラー「谷の向こうの家」は幻想文学枠かな。

プロットが面白いのはロバート・ブロック「湖畔」、エドワード・D・ホック「二度目のチャンス」。「湖畔」はムショ仲間が隠したものを探しに仲間の奥さんと協力する話で、「二度目のチャンス」は泥棒に身を落とした女性の話。

 

ミステリー小説のアンソロジー。ペアである『自由への一撃』を読んで、ミステリーは得意じゃないなぁ…むしろ苦手…と思ったら、終盤にあったF・ポール・ウィルスン「顔」が掘り出し物だった。こういう事があるから、読書は楽しい。

その肝心の「顔」は異形に生まれた哀しみの犯罪話で、刑事の忘れたがっている過去や薬害を思わせる設定など丁寧に作ってある…と感じさせてオチの付け方が低級ホラー!だが、それが悪くない…という話。あー、消化試合みたいな積ん読崩しかと思ったら、この話読めたから良かった。

 

そんな具合です。

もっと楽しい読書もしたので、それはいずれ。

コロナのせいで失業します

まだ失業はしていないけど。

コロナの影響で職場が仕分けをした結果、私がしていた仕事がなくなったので、近いうちに今の職場を去ることになりました。やれやれ、なんてこった!

 

私には特別な資格もなければ、特技でどこかに雇われようとすると大体ブラックなので、今から気が重いです。

でも、誰を恨むわけでもなく、ひとまず生きてさえいれば何とかなると思いたい。

リモートワークをしていても病まないどころか元気なので、その辺はアピールポイントになったりしないかしら?

それは快感で癖になる『ファシズムの教室』

 楽しみにしていた本がとてもよかったんですよ。

ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか
 
 

読了。

ナチズムについてのわかりやすい解説から始まり、ネットで話題になったファシズム体験授業について書いた本。

渋谷でのハロウィンやサッカーの試合後…例を挙げるまでもなく人は集団行動で熱狂しやすいが、それが権威と結びつくとファシズムになるというのが良くわかる一冊。

現代ビジネスに出た記事を読んで、著者の本を読んだりしたけどファシズム体験授業については本になっていなかった。

そのため、この本はとても楽しみにしていたのだけど、前提のナチズムと当時の民衆にについて、授業について、その後、舞台裏など盛り沢山で大満足だった。

 

意外と健康に気を使っていたのは他の本で読んだけど、特権階級にしか得られなった喜びを労働者に提供することで平等な社会を実現しようとしていたり、庶民の味方で貧しい労働者の気持ちを理解して代弁してくれると思われていたということも最初に綴られる。

(真偽はともかく)不当利得者に対する「持たざる者」たちの義憤、そしてそれを隠れ蓑した欲望の追求もまた狼藉行為を過激化させた原因ではあるのだけど、それを安全に体験できるものとして考えられたのが「ファシズム体験授業」というわけ。

最初は抵抗があるものの、染まっていく様子、そして受講生徒たちの感想を読むと、ファシズムというのは染まりやすいものであり、現在の社会にもその心当たりはあるようになっている(現に今をときめく給付金の件も特定の職業はダメだなんだと文句を云う人たちは残念ながら観測範囲にもいた)。

…って真面目な事を書きましたが、肝心のファシズム体験授業はリア充糾弾というもので、躊躇している生徒に著者が「皆さん、今後の人生においてリア充に対して『リア充爆発しろ』という機会は二度とないですよ!」と煽るのには思わず吹き出してしまいました。

 

余談

私は球体関節人形が好きで、ハンス・ベルメールが人形を作った時代だからということで、ナチス政権下のドイツについての本を読むことがあるのだけど、退廃芸術についてわかりやすく解説があったのが嬉しかった。

美術系の本は相性がいい文章がまだ見つけられないため説明されても「わからないです、サーセン」ってなるのよね。

それはともかく、その退廃芸術を集めた退廃芸術展に関しては「庶民には理解できない前衛芸術への憎悪、そのような「出来損ない」の作品に多額の税金を支出した美術館や公務員への反感を煽る意図があったことは明らかである」…とのこと。

現代美術に対して「これは一体…」となるものは多々あるけど、その気持ちも利用されてしまうんだな…。

文化生活2週間~リモートワークになったよ~

4月からリモートワークになっていました。

個人的な覚書で気づきなどを書いておきます。

同じようなエントリーはきっと多いですし、目新しいこともないと思います。

 

わかったこと

・通勤が無いのが楽。本当に楽

→本当に楽。これだけでストレスがカットされている。雨の日も家に食料があれば外に出なくていいし、会議がなければもうパジャマのままでいてもOK。

こんな嬉しいことはない。

 

・すぐお腹がすく

→本当にどうして…お菓子を買い込まない事で食べ過ぎ注意できている…と思いたいです。

 

・通勤時間や休憩の気分転換を家事にあてるとQOL上がる。

→おかげでおうちが綺麗です。これからも綺麗なおうちで暮らしたい。

 

 

工夫してみたこと

・マメに報告する

→仕事やっているアピールは重要。

 

・仕事の机とご飯の机はべつにする

→ネットでみたやり方。パートナーのパソコン机(文机)とモニターを借りて仕事をしていますが、メリハリは付く…かな。

あと、昼間は結果としてパートナーはPC使えないのでお互いの仕事に励むことになっています。

 

・ラジオを聴く

→仕事によっては聞けないのですが、音があったほうがいいなーって時に。ちなみに私のお気に入りはこども科学電話相談。

聞き逃しだと時事ニュースはカットされることが多いので、必要以上にコロナのニュースを聞かなくていいのがありがたい。そして、番組はほんわかするので心が明るくなります。

 

・通勤に使っていた時間でささっと家の掃除

→上に書いた通り。家事に充ててQOLを爆上げしよう!

 

 

そんな感じで生きています。

 

生活自体は問題ないものの、辛いことがあるとすれば、美術館も好きなお店は軒並み休みなこと。文化が!生活は文化的でも、東京に文化的なものがないの!

この苦しみから「戦後に中原淳一『それいゆ』がもてはやされたのがよくわかる…」とわかった気になっていました。

実家にいる母は「こっちは自粛以前に文化がないので東京でおとなしく暮らしてください」と云ってきたけど、文化都市東京の文化がない、辛い、どうなるんだこれ…となれども、まずは、生き延びよう…な!と自分に云い聞かせます。

戦わなくてよい世界へ『男らしさの終焉』

すごく読みたかった本が期待以上だと嬉しいね。

男らしさの終焉

男らしさの終焉

 

読了。

 

男性である著者による古い男性観を捨ててアップデートするのが大切であることを説く本。

男性から書いたジェンダーの本って珍しい印象。著者がアーティストで異性装者でもあるのだけど、「だからと言って女子の気持ちはわからないし、自分も古い部分がある」と認める姿が潔い。

著者によるイラストも妙に可愛く、そしておかしいので、落ち込まずに読める。特に男性が大切に守っていたものはさほど大切ではなく、もっと他に自分以外の人間と幸せになる道はあるんだといろんな人が知ることができたらいいよね。

ジェンダーに関しての本は私が読んだ限りだと「男女ともにジェンダーを知ることはお互いのため」という論調が多い。できるだけ多くの人に気が付いてもらえるようにいろんな人が云うのが大切なので、男性の著者による…というのはありがたい。

 

「この世界の不幸は男性の古い価値観のせい!戦後にジャングルで発見された日本兵みたいなもの!」という部分があって、イギリス人もご存知の件なのか…となったし、日本の草食系男子の話もあり、それはグローバルに知られている案件なの…となった。

 

女性の結婚年齢が上がっていることに関して、(女性は)本当の親密さと助け合いの価値を知っているし、健全な関係がもたらすものをよく理解している…とある。ポジティブな解説だと思う。

その後に続く「結婚適齢期の男性に要求するものの水準が高くなっている」とあるけど、水準も別に「ただしイケメンに限る」とかそういう話ではないんだよね。友情のように尊敬しあえて、見下されない、そういう事なんだけど…イラストにある男の世界…サバンナでフルチンで顔を真っ赤にして原始的な武器で戦っている人たちにはご理解いただけないようなのです。

 

そして、ご理解いただけない方はほっといて、理解できる人たちはどうしたらいいのかが楽しく提案される。提案もどこかかわいく、そしておかしいイラストで提示してくれるけど、実現したらきっとみんな幸せになれる。

このところの人形×読書『人形(書物の王国)』『人形は語らない』『月刊アートコレクターズ4月号』

このところの人形×読書の成果です。

読了。

アンソロジー書物の王国シリーズの人形の巻。

ホラー寄りの扱いを受けているセレクトが多いので、そんなに掘り出し物!という気持ちにならず、結果として、自分にとって人形が如何にパーソナルなものかを思い知るなどした。

一番よかったのは種村季弘「人形幻想」。

「あどけないのに無気味、可愛らしいのに怖い」とまとめ、「無気味な背後の予感があればこそ、底なしの深層からの反射が愛らしさを引き立てる」…とある。他にも「倒錯美」「肌の下に湛えられている滅びの予感」って耽美すぎて照れちゃう!

種村季弘は彫刻に関しては「古典的な美の規範に支配され~」とあるので、人形とかなり区別している。似て非なるのである。ただ、この巻は像の話もあるので「にんぎょう」というより「ヒトガタ」の趣なんでしょう。

 

好き嫌いではなく印象に残ったのはアンリ・ド・レニエマルスリーヌ」。

印象に残った理由は語り手である主人公がクソ面倒臭そうだから。

収集癖があるオタクの夫と夫のコレクションを捨てそうな女の夫婦の話で、夫の一人称で書かれているので、わかりにくいけど…すごくモラハラクソ野郎臭がするんですよね。

まず主人公が「ぼくちんは空想好き!高尚な趣味を持っているのに妻ちゃんわかってくれない!だから妻ちゃん、頭を良くしてあげよう」みたいな所があるのだけどコミュ力というかプレゼン能力無さそうなんですよ。オタクだから仕方がないとかではなく、奥さんが美人だから選んだみたいな感じでコレクションの1つぐらいにしか思っていなかったんでしょう。

きっと「そんな事も知らないの?」などモラハラ発言するんだわ…だから、奥さんがあんな凶行に走るのではなかろうか?(注意:これらはすべて個人の偏見です)

奥さん、ベネチアを「水の真ん中まで来て建てられたこの不都合な都」呼ばわりしていて、これ、逆に別の才能があるのでは…。

そして、夫、コレクションも置きっぱなしくさいし、それで新しくてかさばるもんを買ってきたら奥さんキレますよ…。

読み方としては主人公の肩を持つのが正しい、オタク最高、オタクにとっての救い!みたいな捉え方をしたほうがいいのでしょうけど、同じ趣味でモラハラしてくる人物と趣味が違う人間的に好ましい人物だったら断然後者を選ぶ。

 

 

読了。

人形の本かと思ったら、人が作る、関わるものは皆人形みたいな考え方のマスメディア論。

著者は精神科医なのだけど、ザ・フォーク・クルセイダーズのメンバーでもあった人。本の構成が歌っていた人みたいな感じで進むのだけど、「帰って来たヨッパライ」でわかった。あの「おらはしんじまっただ~」のアレ。

本文に出てきた「これだけ情報があるんだから、みんな吟味するしかない。現在のところ、万人受けして、みんなに愛されるものしか情報は提供されないという傾向があるわけですから」って良い言葉だと思うし、自分が好きな物を見つけるのにはかなり数をこなさないといけないこともあるよなぁ…となるなど。

ただ、この本、肝心の私が好きな方の人形の話はほぼ無かったです…。

 

ARTcollectors'(アートコレクターズ) 2020年 4月号

ARTcollectors'(アートコレクターズ) 2020年 4月号

  • 発売日: 2020/03/25
  • メディア: 雑誌
 

今回、創作人形特集なんですよ。

創作人形の特集って最近はほぼ見ないので嬉しくなっちゃう。作家のセレクトで私は「ん?」と思う人ももちろんいるけど、たくさん見ることで何が好みかわかったり、グッとくるものなので、たくさん観て自分にとっての一番が見つかるといいですよね。

コレクター向けの雑誌なので各作家作品に目安の値段もあるので、売っている買えるものなのが分かりやすい。

あと人形のコレクターさん紹介もあるけど、アートコレクターズだからやっぱり数をお持ちの方だった。

人形を愛でるのは数が多くて当たり前のように感じる人もいるかもしれませんが、人形好きでも私みたいな少なく所有して大きく愛でる人もいますよ…と云っておくなど(たくさん持っている人が小さく愛でているとは言っていない)。