衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

月の名状しがたき『生理用品の社会史』

月間衛生ゴアグラインドになりつつありますが、今回は衛生ゴアグラインドって感じな本の記憶です。

生理用品の社会史 (角川ソフィア文庫)

生理用品の社会史 (角川ソフィア文庫)

 

読了。

日本における生理用品のあれこれ。ナプキンがなかった時代の章、不浄扱いの歴史の章の次にやってくる生理用品プロジェクトXな章がとても良い。

生理用品というビジネスチャンスを発見した男性が汚物入れの使用済み脱脂綿をこっそり拾ったり、当時の生理用品のゴムのパンツを履いて不快感を経験して「女性達はこんな大変な思いをしていたなんて…」という所から開発が進む。

世の中にいるらしい「使い捨てナプキンがなければ布をつかえばいいおじさん」は多分こんなことしていない。

 

ちなみに汚物入れの使用済み脱脂綿を拾ったのはアンネ社の社員の方。

その使用済み脱脂綿を「名状しがたい何ものかであった」と表現しているのには、私はいつから旧支配者に?と思ったけれども、物凄くショッキングだったのが伝わる文章であった。

もとは『アンネ課長』という本に出てくるようですが、秀逸な表現なので引用します。

 あけた!見た!あった!だがそれは、むごたらしく、乱雑に、吐き捨てるように投げこまれた、女性の恥部の乱舞であった。それは、無惨でみじめで虚無的であり、残酷でさえある、いいようのない女性の業の集積である。

 私がかすかに想像した白地に赤点などとは思いもよらぬ、異様な臭気につつまれた女性のぬけがら、残骸である。もはやここには社会生活のルールも秩序も自律も他律もない、無国籍者の無法地帯である。すべてのバランスを崩した生活の醜悪な構図であった。

 それは無造作に、呪われたもののごとく、怒りをさえこめて投げこまれた、山のような残骸であった。それは、赤い色でもなく黒色でもない、名状しがたい何ものかである。女性の最後の抵抗でもあったのか?

 …私は毎月旧支配者にでもなっていたんですかねぇ…と思えども、こうしたプロジェクトXのおかげで私は毎月シーツや服を綺麗に保って生きています。

しいて言えば、生理用品のパッケージは妙に乙女チックで宇宙猫みたいなので、早くハマスイカラーのシックな感じになって欲しいです。

久しぶりに人形遊び

今週のお題「雛祭り」

雛祭りは人形町にある寿堂のお菓子を買うことにしているので久しぶりに人形遊びをしました。

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りーぬが物欲しそうな顔をするのはなぜだろう…ずいぶんと人間味が出てきた気がします。

あまり人形写真もアップしなくなっていましたが、針仕事を復活させたので、今年こそはりーぬの服を縫ってあげたいです。

 

暮らしの日々『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』『バグダードのフランケンシュタイン』『百年の女』

今月よりリモートワークになりまして、家で自分のPCに向かう時間が減りました。

生きております。

 

本を読む量はがくんと減ったため、面白いと思える本に出会える数が減っていました。

そんなわけで覚えているだけでもポジティブな気持ちになれた本を3冊。

 

リレーエッセイ+小説。お気に入りの地域に根付いて暮らす…という趣と他人と暮らす不自由さとそこも含めて生活だよね!という許容が色々優しく染みる。丁寧でもネタになるほど雑でもなく、暮らし!って感じが良いし、時々人情…みたいな話にぐっとくる。それがとても良い。

 

 

テロの被害者の遺体を繋いで出来た体と体がなくなった故に彷徨っていた魂からなる人物「名無しさん」がいるバグダード

周囲の人物の描写が丁寧なので、群像劇感。話が進んでいるのかいないのか良くわからないけど、なんとか最終的には進んでいた。

名無しさんは体のパーツそれぞれが持つ恨みを果たすとそのパーツがなくなる逆『どろろ』(厳密には逆百鬼丸)という設定がインパクトあるはずが、名無しさんを死んだ息子だと思っているバァサン、名無しさんの体を作った古物屋、名無しさんの存在を知るジャーナリストも皆細かく描写されるので、そういう人もいるよね…な気持ちになってくる。異国だけど、出てくる人物出てくる人物自分からそんなに遠くない感じが絶妙だった。

 

 

雑誌『婦人公論』100年の変遷を読むことで日本の女性が見えてくる本。

女性を取り巻く問題アレコレは今が少しマシぐらいで100年経っても変わらぬ酷さ…と思うとなかなかしんどい本であったし、なんかこう、私、不詳の娘でサーセン…って気持ち。

男性は家事を手伝う気が全くないという話が取り上げられているのだけど、その中で中原淳一の「こちらは忙しいのだから、家事のことを考えながら仕事などしたくない」という発言があった。

酷すぎるなぁ。ネットでたまに見掛ける「仕事に家事にお前の世話で疲れているけど…」って台詞は残念ながら中原淳一の配偶者だった葦原邦子はついぞ云うことはなかったんですよねぇ。そもそもDVされまくって頭が回らない人みたいになってしまっていて、その著書はとても辛い。

雑誌が一人の人生みたいに見えてくる。新しい女として生まれ時には同性と対立し、古い価値観にとらわれたり、やっぱり戦争には勝てなかったよ…と挫折しつつも子供を育て、心配し、不倫や熟年離婚を考えたりしつつも自立を思い立ち、今は老後を心配している…そんな人。

本筋から外れましたが、戦前のすぐ死んだり心中したくなる恋愛事情の中で、平塚らいてうが心中しようと山に入ったけど、生きる気満々で登山になってしまった話は初めて知りました…ハッスル!ハッスル!マッスル!マッスル!すぎでしょう…それも含めてやっぱり人生なのである。

20210102

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

初夢は「雑居ビルの中にあるコインランドリーの店主である老年男性が作る弁当が美味い」という夢でした。弁当にエビフライ入っていました。嬉しいね!(海老大好き)

 

去年はカウントダウンを待たずに早寝、結果として早起き→でも二度寝で初日の出もなく、近場の、余り混まないけれどもご利益がありそうな神社に初詣をしました。

パートナーが『Dr.STONE』(一度文明が滅びた後の世界でサバイバル&文明を作る科学漫画)を見始めたので、今日は一日『Dr.STONE』三昧でした。

『ゼロからトースターを作ってみた結果』を読んでいる我が家なので『Dr.STONE』は味わい深かったです。

 

Dr.STONE』を観てから読んでも味わい深いと思います。

 

今年も本を読んで楽しく暮らしたいのと、去年「着物を着ることと着物が少し縫えることって趣味兼特技では?」と気が付いたので、そっちも伸ばしていきたいです。

着物の記事、かけるかしら。

 

では、本年も時々お付き合いいただけますと幸いです。

2020年に読んだ本ベスト10冊

2020年は238冊読めました。

その中から特に面白かった10冊を選ぶとこんな感じです。

 

礒崎純一『龍彦親王航海記』
濱野ちひろ『聖なるズー』
鈴木智彦『ヤクザときどきピアノ』
田野大輔『ファシズムの教室』
高野秀行『謎のアジア納豆』
片野ゆか『着物の国のはてな
ヤマザキマリ『パスタぎらい』
鄭 鴻生『台湾少女、洋裁に出会う』
山尾悠子『翼と宝冠』
Dain『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』

 

感想を書いた本が多いのでリンクは省略。

澁澤龍彦が人生の必修科目で着物が好きで本が好きな食いしん坊…という趣のセレクトになりました。

自分のベストなので眺めていると「この本、面白かったし楽しかったし、好き…」という気持ちになりますね。

 

一時期は残業も多くて本を読むペースがガクンと落ちちゃったのですが、量から質が産まれるので2021年はもっとたくさん本を読んで、楽しい本に出会いたいです。

2019下半期ベスト10冊

 今年のまとめです。ブログをあまりかけなかったし、下半期はあまり本が読めていませんが、ランキングが作れそうなぐらいには読んだのでまずは下半期のベスト冊です。

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着物をオーダーする

今年は着物をオーダーしてみました。

着物は親からもらったり、自分で縫ったりしていたのですが、とても気に入った柄があったので、公式カラーじゃなくて自分が好きな色で欲しいのよねぇ…となり意を決してオーダーしました。

特にコロナ禍で和服関係全部やばいんじゃない?と云われ始めたのでタイミングでしたので「今オーダーしたほうがいいのでは?」というのも後押しになりました。

 

今回オーダーしにいったお店はこちら

shop.rumirock.com

元々色違いや誂えもやっているので、期待大♡

 

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