衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

音声ゴアグラインド9月号

あらら、5冊しか読めなかった。

刺繍をしていたし、仕方がないですね。

 

今月読んで面白かった本

ロシア語だけの青春 (ちくま文庫 く-26-4)

ロシア語学校を軸にしたエッセイ。

独学ではわかり切れない発音に重きを置いた教育方針に四苦八苦しながらも、伏線を回収するかのようにあの時の勉強が役に立っていく快感がある。意外と留学の話はなくて、国内でしっかり学んで翻訳者になり、教育者としても社会人にロシア語を教えるなどで経験を積んでいく様子が書かれていて、それぞれに事情があるのが染み渡る。

解説はロシア語学校の同級生によるもの。著者がいつも完璧といっていた同級生だけど、本人の口からそんな事なかったよ…と語られるのは人生のオーディオコメンタリーのようで、通して読んだ時の完成度が高い!

 

うたわない女はいない

労働女性の三十六歌仙

職業はお硬い人から非正規労働者まで様々で、とにかく歌人をしつつ、働いている。みんなみんな労働者なんだ、同士一同なんだ。

何らかの創作をする時に労働の面を出してはいけない、どうやって生活しているか…もっといえば「それ、食っていけるんですか」と聞くのは失礼だけれども、労働が苦手な私としてはみんなどうやって生活しているの…?は疑問だったので、それの答えにあたるような本だった。

短歌が関係なくなってきている気がしますが、短歌もちゃんと労働に関していて、大変だ、仕事が厭だ、これも生活なのだ、馬鹿にしていた奴らをラグジュアリーブランドのバッグで殴りたい…などを短歌で綴ってくれる。

こんな短歌なら好きになれそうだと思いました。

 

清く楽しく美しい推し活 ~推しから愛される術

その異常行動は!裁判で負けます!…という切り口の本。出待ち、チケットの転売、画像の無断転載、誹謗中傷、現場での行動…推し活という異常行動の中で陥るかもしれないアレコレについてなので、読んでいて楽しいと同時に身が引き締まります。

副タイトルは「推しから愛される術」ですが、愛されるというよりは、推しにとって無害に愛し続けることによって、たまに推してて…良かった…という煌めきが得られるものでしょうか。

少なくとも、お金を出した人が勝ち、目立った人が勝ちではないと思いたいのもあるけれども、健全な推し活なるものは、一体どうしたら良いかはまた別の話。

 

サーカスの子

お母様がサーカスの炊事係だったことからサーカス暮らしをしたことがある著者によるサーカス関係者への取材。

サーカスの男子はステージとサーカスの小屋でしか生きられないけど、女子はいろんな道がある。

サーカスの独特の時間感覚や誰かが出ていく、お亡くなりなる、新しい人が入っていく…が繰り返される様子は人は変われどもサーカスという生き物として

別件で友達がサーカスのステージリング→地球儀→円環ということをサーカスものにありがちと言っていたけど、本文の中ではサーカスのテントは子宮みたいなものという発想が出てきました。ついつい色々読み取りたくなるのは、サーカスなるものが夢の世界だからかなーなんて思いました。

 

私の推し活の話

推しって言葉が便利なので使っているのはさておき、私の推し活は劇場に行くこと。

ストリップ界の推し活はまずは劇場に行くこと。付随してチップを渡す、お写真を撮る…なので、グッズやチケットがほぼない。

グッズをあれやこれや買いたい、お金が足りない…は今のところない。

リボンを投げる、タンバリンを叩くのも応援の1つだけど、こちらは私はやっていないことなのでスルー…といいつつ、人気者の踊り子さんがポラの時に毎回リボンさんに「朝からありがとう」「遠いところでもありがとう」と伝えているのは見たことがある。けれども、お礼をいってもらいたくて…とも違う気がするし、独自の楽しみがありそう。

 

話を戻すと、お金はチップなどで使いたければ使えるけどそれで何かに勝てる、得する…は無さそうだし、ジャンルとしては性風俗だし、ちょっと不思議な場所だなと思っている。

好きな踊り子さんが「周年作のネタバレやめてね」とお知らせする事態もあったので、舞台に近いところはあるかもしれない。

そして、このネタバレの話では、友達と行く時に楽しんでもらえるようにかなり気を遣ったこともあるけれど、その分楽しんで貰えたときの喜びはひとしお。

このとき、具体的にネタバレについてあったのは、衣装について、演目の流れやモチーフについては書いてほしくない、自分の言葉でどう思ったかを書いて欲しい…としっかりと要望として書き起こして貰っている。

自分の言葉で書く、なかなか難しいけれども、ポジティブな言葉で踊り子さんが感想を観た時に伝わりやすい言葉で感想を書けたらいいなぁ…と思っているし、ポラの時にはネガティブな事は極力云わない…は心がけている。その割には骨折したの知っている推しにめちゃくちゃ心配かけたりしたけど。

そんな推しは今年でストリップを引退。残りのステージを見届けたいし、ポジティブなものを得たいと思っているし、推しの決断は肯定したいです。

そもそもストリップ引退でステージからは引退ではないので、そんなにクサクサしていないけど、ストリップでしか得られない煌めきもありますので。