読書ペースは落ちていますが、かろうじて「読んではいる」みたいになっています。
なかなか食指が動かなくて困ったものですが、今の興味はこれじゃないんだ…ということだと思っておきます。
今月の本たち
女子にはないとされていた自閉症スペクトラム(ASD)の当事者たちの証言を幼年〜老年の時系列でまとめたもの。
女子で生きにくい側なので、「わかる…」という部分も多々あり、読書の楽しみの一つである明文化された自分の感情に出会うことができた。
わかる…と思ったのは「くだらないと感じる人への耐性が低い」という表現。褒められること、評価されること自体は受け止めるし、愛想を良くする努力はしてきたけど、「誰が」褒めるか評価するかで価値が変わるし、あんまりこの人にチヤホヤされても…と思ってあまり喜ばない半生だった。
こうした証言に参加する人たちは自分のASDを受け入れている傾向にあると注意書きはあるため、自分を受け入れられずネガティブな人たちは一体、どこへいってしまったんでしょう…?(BGMはパリは燃えているか)と気が付くと、また違ったしんどさがある。
対談やエッセイ、講義などを収録。若さや、簡単なもの、速いもの、軽いもの、安いものばかりに価値があるから、その逆を行くのが中高年の特権…と98年の杉浦日向子が発言していたけど、プチプラ高見えの文字が踊る今の日本の貧乏過ぎて辛い。
江戸の話ももちろん随所にある。低生産、低消費、長期安定と江戸のことをまとめていた。働くのも1日4時間程度、家は焼けるから3年から5年持てばもとが取れるんだから、そもそも東京に家を建てるという発想が間違いなのでは…とある。一概に昔はよかったと云いたくないけど、労働時間の短さは羨ましい。
あと長屋ルールで「出身」「年齢」「家族」を聞かないとあったけど、これはなかなか良いルールと思ってしまった。
正直に答えると気まずくなるものが私にもある。特に家族。
エシカル(倫理的活動)に関する解説エッセイ。自然や未来に優しいもの、労働搾取されていないものを買いましょう…という考え方に触れられるのだけど、出来ることの具体例もあり、わかりやすい。巻末のショッピングガイドにはすでに利用しているお店もあって嬉しい。
思えば私の幼少期は終末思想も相まってか環境問題についての番組がすごく目に付く時期だったので、サステナブル(持続可能)も受け入れやすい考え方だったけど、エシカルもそんなに抵抗はないかな。
この本自体はミニマリズム、シンプルライフといった文脈から知ったのだけど、伝統工芸を使用しよう!という話もあり、最近の私の暮らしともリンクするところもありました。食べ過ぎぬように良いお菓子を買う、ゴミが増えるのが厭…ということからしていることが、エシカルにつながるとは思わなかった。
経済の発展と奴隷制について。奴隷制についてはおぼろげながら劣悪な環境などは知っていたものの、過去の経済の発展に非人道的な大きな犠牲があったのだ…という気持ちになる。
経済発展が奴隷制のおかげで発展したことがなかったことになっていた時代に書かれて物だそうだけど、知っているエピソードもあったので、ちゃんとこうした犠牲がありましたという事がしっかり広まったのかしら。
これは読むダークツーリズムです。
雑談:文学フリマに行ってきたよ
5月29日(日)に文学フリマに行ってきました。
文章中心の一次創作や評論に特化した同人即売会です。
10年ぶりに足を運びましたが、入場待機列ができていました…入るのに時間は要しましたが、お目当ての本は無事手に入れました。やったね!
お目当てはストリップ関係でした。メディアが取り上げないけど面白い…というニッチな事をしている人たちが多くて、ノンフィクション側のエリアが特によかったです。
あとここ10年で目が悪くなったからか、どんなブースづくりが目を引くかとかそんなところを観ていました。売り場に立体感がある、何をしているか、何を書いた本なのかわかる、表紙がわかる、表紙はやはり本の顔…と思いながら回ってきました。
本を作って楽しそうにしている人達を見たら、なんだか私も何か作りたくなりました。
ブログやなんやで無料で何か見られる気になっているけど、本当はもっと足を運んで、1冊あたりランチ代ぐらいはお金を使ったほうが楽しいものが見つかるんじゃなかろうか。
出店していた友人にも無事挨拶して、早々帰宅しましたが…あとからあの本欲しかったとか余韻が大きかったです。あと、じぶんでも何か本を作りたくなりますね。
あんなに皆さん本を作って楽しそうなんだもの…!
・今楽しみに読んでいる本
引き続きエシカル関係を読んでいます。
引き続き本は読めるのだろうか…と思うも、本は読み進まないと終わらないので、興味があるものから読んでいきます。