衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

女文字でやってくる戦争『「暮らし」のファシズム』

 楽しみにしていた本を読んだんですよ。

 

戦争は女の顔をしていないと云いますが、かつて戦争は女文字で生活の顔してやってきたのだ…という研究。丁寧な暮らし、太宰治『女生徒』、生活様式としてのミニマリズム…生活楽しいプロパガンダの数々に「これは取り込まれるなぁ…」と思うなどした。

 

私は丁寧な暮らし、生活様式におけるミニマリズムを自分に都合が良い範囲、できる範囲で取り入れて暮らしています。

『女生徒』に関しても「太宰治は乙女だなぁ」と思ったので、「あ、私、普通に取り込まれる…」ってなったんですよねぇ。ちなみに『女生徒』と元ネタの日記の比較もあってそこから論じていました。

 

どの章も読み応えがあるけど、ガスマスク女学生の章が特に読み応えあった。ガスマスク女学生がずらっと並んでいる写真は格好いいと思ってしまうし、本文で女学生+ガスマスクはポルノグラフィーとあったけど、本当にそう…。

 

ファシズムは私たちの負の感情も正の感情もどっちも利用してやってくるのだから、騙されないようにするのは難しくとも、本当に個人として幸せになれるのかは振り返ってよく考えたほうがいいという事でしょうか。