Twitterスペースのブログ版です。
前回から14冊読みました。
相変わらず生活系と着物の本が多くて、着物の本は写真や絵が中心なので記録していない本も何冊かあります。
今回特に印象に残った本はこちら
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世間に痴話喧嘩プレイを披露していた島尾夫妻の御子息が語る人生の話。
時々納得がいくようなことを言うサイコパス。
キラークイーン出せない、写真の親父もいない、柄が悪く品がない吉良吉影みたいだった。
『狂うひと』きっかけで友人に薦めて貰った本なのだけど、これは薦められないとわからなかったし、友人が「ああいう家庭で育ったから、パートナー選びも『セックスが上手かったから』っていうのが理由だったんだよ」と云って教えてくれたのだけど、本当だった。
あと、著者が大学の講師だった頃の話で「生意気さだけが取り柄の学生たちの顔なんて一々覚えていない」と発言していたので、人の顔があまり覚えられない者としてダメな方向に安心した。
短編集だけど、ほとんど変態しか出てこない。
情報量が多い上に間違った追憶のマーメイド、脱肛と顔面騎乗、寂れた漁村のボーナスイベントと嬲られ美少年、隠れキリシタンを救う意外なフェティシズム…と、どこを取っても変態ばかり!
村の男女の慰み者にされている美少年の話「菜人記」を目当てに読んだのだけど、この短編集は変態の鉱脈を掘り当てたかのようなラインナップだった。
同じシリーズで皆川博子『悦楽園』(未読)は「獣舎のスキャット」が収録されていたけど…ふしぎ文学館そういうシリーズなの?
男性生殖器の話かと思ったら、男性の生きづらさについての本だった。
読んだときに女性を狙った通り魔があったこともあり、タイムリーだったのが「男を苦しめているのは女なのだから男は女に復讐する権利がある」ってロジックで女性への攻撃を正当化する、またはフィクションでそういう話がウケる、ウケると思われているとあったこと。
察していたけど、ウワァ…となる。
後書きで著者が研究題材を聞かれたら「童貞」と答えていたら「僕、童貞なんですよー」という発言をされていたけど、「包茎」と答えるようになったら何も云われなくなったとあった。そんなにあの臓器へのコンプレックスってすごいの…それ以前に性的な話は話す場所、選ぼうな…セクハラだぞ、こら。
鬱屈精神科医をタイトルに出したシリーズの3冊目。
映画の話をしまくる回ですが、いつもの本や患者さんの話をするスタイルは健在。
前回のスペースで「途中まで読みましたが、すでに最高…」とお伝えしましたが…通して読んでも最高でした。
「ガスマスクを被った子どもとプロペラヘッド氏、そして義手のジェームズ・カーンとが仲良く並んで立っている―そんな記念写真が成立するような世界が、私の脳内世界なのである」…この文章を読んだ時点で最高だった。早く武器人間観ないと(まだ観ていない)。
『アンガスト/不安』についても触れられており、監督に対して「あなた、変態と思われてしまいますよ!」と書いている…変態と思われてしまいますよ!って良い言葉だなぁ。
一方で『ジャイアンツ・ハウス』における巨人と司書の女性の恋愛を孤独で寂しい魂の持ち主同士が寄り添うと表現してくれる。
著者がパートナーについて話すとき「優秀」という言葉が使われる事が多く、私もそうありたかったと思うのであった。私は誰かに自慢できるような存在じゃないから。
特集「春日武彦」
・マイベスト春日武彦
断然この本。言葉について特化したエッセイ。
気取った言葉を使うことや語彙力と呼ばれるものより、タイミングや誰が云うかである部分も大きいよな…となるなど。
誰しもを救う万能な言葉はないけれども、文学においてなんとなく安心する話や言葉を見つけることは稀にあるので、言葉を読むことは辞められない。
呪いを解くことばはなく、やはり出会うタイミング、誰が言うかであるのです。
過去の感想はこちら→☆
・パートナーを優秀と評価できる人
先にも話した通り、パートナーの話をするときに「優秀」という言葉で評価していることが多いのがいいですね。
主に人格を中心にすべてひっくるめて優秀という評価…素敵だと思うのですが、いかがでしょうか?
パートナーと猫と私というエピソードがあるのがこちら。
パートナーが鼻歌を歌いながら料理をし、部屋には猫がいる幸せについて触れた『鬱屈精神科医、占いを試みる』、寝室に猫を入れてもらえる幸せについてふれた『幸福論』…どちらも好きなエッセイです。『幸福論』は新書ですが、実質エッセイ。
・これだ!と思えることもある
先にも書いた通り、春日武彦の本を読んでいると、これだ!と思う言葉に出会えることがある。
こんな著名な先生でも母の自慢の息子になれなかったことや醜形恐怖に悩んでいたりするのだから、そりゃ私なんて悩んで悩みまくっても仕方がないのです。
醜形恐怖や人相について語った回。ネット上で何度も話題になるソンディテストの事も触れているよ!
この本では伊藤順二、大越孝太郎の作品について触れていて、そこがまた信頼できる…!となった次第です。
・サブカルアングラ
私が大好きな漫画家:大越孝太郎について触れていて信頼できる…!と思った次第ですが、アングラサブカルについて触れた本もあります。
中野ブロードウェイにある精神科の医者と記憶喪失の男、そしてサブカル本屋の店員が時々絡むミステリー。
春日先生の趣味が爆発しているので、ちょっとモチーフで使いました☆彡ではない、本気が垣間見られる取り扱いにぐっときました。
こちらは解説が春日先生。
四肢切断願望(本書ではBIID)についてはアングラにおけるいかがわしいアブナイ趣味の一つであることは知っていたけどフィクションに近い話かと思っていたので、本書で紹介があって驚いたという趣旨の事を書いていました。
あまり医者にかかる前に身体改造で何とかしちゃう領域の話しなのかしら?
過去の感想はこちら→☆
本格ミステリーみたいなタイトルだけど、いつもの春日先生、安心の春日先生。
細かい描写が心地よく、3人の精神科医の描写に過去の著作や作者本人を思わす面もあって、この作家が好きで他の作品も読んでいたから面白いというのもあるかも。
過去の感想はこちら→☆
・不謹慎な話をしよう
不謹慎面白いということがあるとすれば、平山夢明との対談。
この本を面白いと思えたほうが程よく仲良く付き合えそう。
過去の感想はこちら→☆
こちらは映画やドラマの話しなので、『鬱屈精神科医、怪物人間と引きこもる』の前身と言えばそうかな。
過去の感想はこちら→☆
・タイトルがよい
このご時世、うつっぽくなってうかつに人生終わらせたいとも呟けないので、何をやっても癒されないと呟くんですよ。
疲れているんだわ、と思ってください。
・で、上手くいくための秘訣は?
掃除しよう、な!です。
掃除、睡眠、規則正しい生活…そうやって健康になりましょう。
…と、言った具合でした。
特集の部分はフリースタイルだったので、触れていない本もありますが、その辺は音声版の消え物ということで。