衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

不衛生だった時代がありまして『貧民の帝都』

明日というほどではないけど、我が身を思う。

貧民の帝都 (文春新書)

貧民の帝都 (文春新書)

 

読了。

明治以降の貧民とその対応の歴史について。

東京がこんなに不衛生で死体だらけの時代があり「今のだいたいこのあたり」みたいな説明なので、余計にマジか…という気持ちになる。

地方出身の貧民は故郷に帰されるなどリアル跳んで埼玉だった(埼玉に限らないけど)。

海外の目もあるから汚いものは見せないという事で追いやられた人は養育院に行くのだけど、戦争で焼かれて養育院を復興しようとしたら近隣住民の反対に遭うなど、どこかで聞いたような話が出て来る。

 

本書で貧民を何とかしようとした人物として渋沢栄一が出てくるけれども…貧困も金持ち実業家では解決するのは難しかったし、国に明け渡した話もあるので、国策でなんとかなってほしい気持ちになる。

しかし、ホームレスが寝転がれないように座れない椅子を設置して追い出した話などもあり、公的な部分でも難しいし、関わり合いたくないのもわからなくもない。

さて、今は貧困の末はどうなるんだろ…と無職だから恐怖して終わった。んー、本当にどうしよう…。

 

余談

売春しようとしても売れなくて柳の木の下で野犬に吠えられてうずくまっている娼婦の話があって、売春もしたことがないのに胸に来る。

貧困と売春に関しては貧困を救おうとするのは可愛げがない人とかかわること、という話を読んだことがある。貧困の問題…なんでも人任せにしてはいけない一方、餅は餅屋という言葉もあるので、プロに任せたい気持ちもある。プロ…この道のプロってなんなのだろう?

 

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