読書メーターで知って絶対に面白いと思ったら、やっぱり楽しい読書になった。
刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話
- 作者: 山本譲司
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2018/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了。
刑務所に収容されている軽度の知的障害者と福祉の欠点を子供にもわかりやすく読みやすくしたもの。優しく書かれているものの読み応えあり。
大人たちが「昔は良かった」と懐かしんでいる映画『ALWAYS 三丁目の夕陽』や『となりのトトロ』の舞台になった昭和30年代はものすごく殺人事件が多かった…という文章のこのわかりやすく、そして別に良くは無かったですよーという感じの文章、好き。ちなみに殺人事件での死者は昭和30年が2119名に対し、2016年で289名なので、かなり減少しています。
取材で会った受刑者との会話で刑務所でいた時に覚えたスラングを使ったら心を開いてくれたという話がありました。この著者の『獄窓記』のドラマ版を15年ほど前にみたことがありますが、刑務所での暮らしの中で軽度の知的障碍者との関わりで変わっていく場面があったのを思い出しました(このことも本の中にありました)。その後ずっと福祉に関わっていたんですね。思わぬ再会のような本でした。
タイトルに使った刑務所の中とはこの本の事。
『刑務所しか居場所がない人たち』でも『刑務所の中』でも「シャバに出るのが怖い…」という話は出てくる。
『刑務所の中』で「罪人なんて粗末なもん食わしておけばいいのに」という趣旨のセリフが出てきましたが、『刑務所しか居場所がない人たち』で刑務所の中の年中行事は社会性を身に付ける教育としての行事とあり、思わぬアンサーがありました。