衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

写真と実物と

中川多理写真展「貴腐なる少年たちの肖像」に行ってきたときに、りーぬことマルスリーヌの写真を購入しました。

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本人と。

やっぱり我が家にいる彼女が大好き。 照明の関係もあるけど、写真の頃とは雰囲気が変わった気がします。

前はもう少し不安げだったのが、今は落ち着いて…というよりぽやぽやぼんやりしたコに育った気がします。

人形のための練り切り

遅ればせながらひな祭りのお菓子を開封しました。

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大集合。りーぬの顔にピントが合っているの図。

お雛様用の練り切りです。

 

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ガラスの器には小さな練り切り。

ガラスの器には切子細工がされています。

人形町にある「壽堂」のお菓子なのですが、雛祭りの時期にこの器を持っていくと時間はかかるけれども詰めなおしてくれるとのこと。

去年買ったお重を持って行ったのですが、同居しているパートナーの口に合わないお菓子があったので、今年はガラスの器の練り切りを買いました。

節分、鬼あそび

読書の話題が多くなってきたこのブログですが、お人形ブログを目指していたんですよね…実は。

というわけで、りーぬが久しぶりに登場です。

 

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節分なので、鬼のお面をつけました。

チェーンソーを持たせたので、間違ったなまはげみたいになっています。

 

最近、読者登録が増えたので、改めて紹介すると、青いワンピースのお人形がマルスリーヌ(通称:りーぬ)、りーぬの膝にいる小さい人形がレレチカ、豆の袋に興味津々なのがイノサンです。

マルスリーヌはマンディアルグ「仔羊の血」のヒロインを元ネタにした人形で、レレチカは名前の由来がソログープ「かくれんぼ」でどちらも人形作家の中川多理さん作。

イノサンは中川多理さんのワークショップで組み立てた人形です。

 

最初の頃に書いたもっと詳しい説明

hikimusubi.hatenablog.com

友情と希望『青い目の人形物語』

 人形が題材になっているとつい読んじゃう私。

青い目の人形物語 (1) 平和への願い アメリカ編

青い目の人形物語 (1) 平和への願い アメリカ編

 
青い目の人形物語 (II) 希望の人形 日本編

青い目の人形物語 (II) 希望の人形 日本編

 

読了。

1がアメリカ編、2が日本編。アメリカ編で出てきたお人形が、日本編に出てきます。

そう思うと様々な運命を辿っている人形だなぁ。

ちなみに原題だとアメリカ編は「SHIP OF DOLLS」日本編は「DOLLS OF HOPE」です。

 

アメリカ編は友情人形に付ける手紙の一等を貰うために奮闘する少女の話。親離れの話でもあり、少女が自分なりの幸せを選ぶ成長物語でもある。

児童文学なので、親を大事に、同級生に意地悪しちゃだめだよ、みたいなのもあるけど、大人になってから読むとそれはそれで悪くないです。なかなか子供の時にそういう教訓めいたものってなかなか響かなかったんですけどね。

 

日本編は山間の農村から土浦の女学校に入学させられた少女が人形の公式後見人となる成長物語。後に戦争になる不穏な空気はさほど感じずに終わりますが、後の現実を知るものとしては戦前のユートピアとして読みました。

土浦…これ舞台が茨城なんですよ!「青い目の人形」の作詞が野口雨情(茨城県の人物)だからということもあって、選ばれたのかしら?

その一方で主人公が北関東山間部出身なのですが、土浦を西にある町で海へと続く霞ケ浦…といっているのですが…土浦より東はだいたい海側なので、一体、どのへんだ?となりました。作者は海外の方だからご愛敬かな。

他にも取手から聖路加国際病院まで車で通うモダンガールの看護婦が出てくるのですが、昭和2年になかなか長距離通勤だな…いまだと高速道路利用で1時間だけど、当時のルートだと1時間半~2時間かな…などと出身者ぐらいしかツッコミを入れないだろう話もありました。

 

どちらも主人公の成長物語でいじめられたり、権力に屈して悔しい思いをするのですが、日本編はいじめた相手と和解がないので、それが妙に日本っぽいかなと思いました。

あとアメリカ編のエピソードでパクられた手紙の作者が日本編でちゃんと本来の作者に直っているのを見て、安心しました。よかった、よかった。

私の人形は素敵な人形『りかさん』

 

りかさん (新潮文庫)

りかさん (新潮文庫)

 

読了。

人と心を通わせる事ができる日本人形「りか」と彼女の新たな持ち主になった少女と周囲の話。児童文学なので本自体はサクッと読めますが、その中に出てくる人形観が大変刺さる。

少女と祖母の会話で「人形の使命は生きている人間の、強すぎる気持ちをとことん整理してあげる事にある」と出て来るけど、私が人形が欲しいと思った理由そのまますぎてびっくりした。

りーぬというわけではなく、人形を探して身請けしようと思った理由が「私は愛が重すぎるから人間としてのバランスを取るために自分の好みの容姿の人形を身請けしたい」だったので。

この本自体は去年の終わりぐらいにりーぬの作者の中川多理さんが紹介していたので知りました。好きな人から好きなものを見つけ出せると嬉しいです。

服従と抵抗『人形つくり』

久々に掘り出し物を見つけた感。こういう時にいい仕事していますね…と勝手に鑑定団になってします。

人形つくり (ドーキー・アーカイヴ)

人形つくり (ドーキー・アーカイヴ)

 

読了。

外国人の子供の家庭教師を務めることになった女学生の不思議な手記と顚末「リングストーン」、女学生と木彫りで人形を作る青年の物語「人形つくり」を収録。

「リングストーン」では終盤に体操着の女子へのフェティシズムが、「人形つくり」では服従マゾヒズムがあふれていて、サーバンの変態性がしっかり出ていてかつ作風は丁寧で品がある。

ちなみにサーバンはイギリス人で本職は外交官、出身は炭鉱町で労働者階級。変態性あふれる作品を少数だけ残した作家だそうで「イギリスの団鬼六というわけではない」「拘束具が好き」…というのは国書刊行会の冊子からの情報。

本に収録されている解説によると数少ない邦訳『角笛の音の響くとき』では全裸に羽や毛皮を纏った女性を狩るシーンがあり、「わたしが女性に求める種類の歓びは実行が不可能」という言葉を日記に残していたり、木製の関節付きの人形を自ら制作するなどかなりの変態のご様子。…悩む前にフィティッシュバーとか来ればよかったのにね(たぶん、当時はなかったのでは…)。

 

少し作者の話が長くなりましたが、今回「人形つくり」に関しては私は人形になりたい系のM女ではないので、ハマらなかったものの、好感が持てる作品ではあった。

下記はネタバレ含む感想。

 

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人形たちとクリスマス

クリスマスっぽい写真を撮りました。

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あまり人形たちを使って幻想的な何かというよりは、人間と暮らす人形という感じでお送りしております。

りーぬが心なしか不満げなのはブッシュ・ド・ノエルにできないツリーだからかしら?