衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

音声ゴアグラインド4月号

11冊読めました! ちょっとペースが戻ってきたみたいで嬉しいですね…私が!

今月読んで面白かった本

痛みに耐えさせられる、痛みを訴えても取り合ってもらえない、経産婦だから無茶させられるとねぇ、この身体、本当に不遇すぎるんだけど!という気持ちになるなどした。

ただ、私も「痛くて当たり前なんだろうなぁ…」と受け入れてしまうことがあるので、医療の場で、患者の時に痛いのが厭なのはもっと云っていいの…?となった。思い込みがすぎる。

 

最初の方のトリニティ実験のところだから「おらが国を焼かれるプロジェクトX…」って気持ちがどんどん高まったけど、後の話も多し。

日本人医師が「あんたたちは人体実験までしやがって!」と突っ込むシーンがあったけど、ご遺体は標本としか思っていなかった様子もあって、この人間として扱われなさ…となるしんどさがある。

先のしんどい話とは別に著者の祖父が日本へ原爆投下後の土地の調査にきた医学博士ジェームズ・F・ノーランということもあり、比較的話がよく出てくる。碑文は「赤ん坊をたくさん、この世に送り届けた」…そんな方が日本の調査をするのは仕事とはいえしんどかったらしく、日本での話はしなかったそう。

 

中国で人気の児童文学。

妖怪ウォッチならぬ、神獣ウォッチ…という趣で、戦わないのがいい。神獣たちの設定もよくて休暇をとって動物園に行くことを夢見たり、テレビ大好きだったり。日本も少しだけでてくるのだけど、こちらはたぬきたちがのんびり暮らす町…という設定でした。

たぬきが出てくる話はすぐに泳いで海外旅行に行ってしまう神獣と主人公が日本に行く話なのだけど、この神獣、人間の姿はものすごい美青年という事になっていて、何かこう、わかり合えそうなサムシングを感じました。

そして、多分ここはジブリリスペクト回かなとも。

 

大好きな春日武彦の本を2冊。

 

自殺帳は「生きていればいいことがありますよ」という無責任なことはいわず、「首を吊ったら糞尿垂流しのご遺体ですよ」などの煽りもなく、淡々と自殺について臨床、文学、過去の事件から語ってくれるので「自殺は…やめておこうかな…」となる。

最初の話がなんとなく人をいらつかせる、人に嫌われることを言いがちな人がお亡くなりになる話なのですが、「紅茶にうるさいんです」といいつつ、ただコンビニで買ったティーバッグを飲み続けているだけというチープさ。

後半は自殺の七つの型と題してひたすら自殺の話をしていくのですが、時間の都合もあって、七つ一気読みは無理でした。

あとがきで臨床医をやめること、精神医学のありようそのものが厭になったと語っている。高名な精神科医が「過去の辛い思い出をどうしても忘れることができない」という悩みに対して、常識的なことをだらだら書いた挙げ句、「運動でもして気持ちを切り替えてみましょう」という様子にも気分が悪くなり、未練がなくなったとまで書いている。 辞めると決めたら清々しくなったそうで、仕事を辞めるということはお金の心配さえなければそれは開放感しかないし、春日先生の文章にどんな影響が出るかそこは楽しみにしています。

 

次回予告

このシリーズ、期待している…!

他にも暗い本を読んでいますが、程よくバランスが取れるのでは?と思っています。