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本、人形、素体

最強の18人+α『マゾヒストたち』

世の中にはすごい人たちがいるもんです。

マゾヒストたち: 究極の変態18人の肖像 (新潮文庫)

マゾヒストたち: 究極の変態18人の肖像 (新潮文庫)

  • 作者:松沢 呉一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/10/27
  • メディア: 文庫
 

読了。

M男さんたちへのインタビュー集。SM雑誌での連載だったそうですが、新潮文庫から出ている本なのですが、こういう所から出してくれるの、いいですねー。

M男歴が長すぎて乳首も長くなったM男さん、馬になるM男さん、監禁されるために失踪、金玉蹴りされる方のマニア、尿が好き、食糞…など、ハードなフェチシズムをお持ちの方が多く、他にもそれは聞いたことが無い、今知りました…な話も多し。ちょっと踏まれたい、痛いのが好きぐらいだとMとしてレベルが低いんじゃないかと思うくらいレベルが高い、日本でも最強(?)のM男さんが揃っています。今後読む小説の変態描写の甘さにさらに激怒できるようになりますね…*1

 

目次を見て「会ったことがあるM男さんが一人いるなー」と思って読み進めたら、もう一人知っている人がいました。どちらもお元気かしら?ちなみにお会いしたことがあるM男さんですが、一人がフェティッシュバーで出会った乳首が発達したM男さん、もう一人は行きつけのご飯屋さんで出会いました。たまに誤解されるけど、私はSMの人ではないです。

ご飯屋さんで会ったM男さんは、盲目のM男さんで、私が作ったザッハトルテを食べて「可愛い女子とフルーツは鉄板ですよ!」と大喜びしてくれたそうです(その場には私はいなかったので、また聞き)。

ご飯屋さんでたまーにお目にかかる程度なので盲目のM男さんがピアノが弾けて留学経験もあるのは初めて知りました。この本を読んだ後に行きつけのご飯屋さんに行って店長に「あの方、すごい人なんですね…」と云ったら「読み上げ機能があれば将棋もできるよ」とまた新たな情報を頂きました。このインタビュー集、基本は10~15年ほど前なので、どのM男さんも元気か気になったのですが、盲目のM男さんに関してはプライベートも充実されているという話を聞いたので何よりです。

 

インタビュー以外にもコラムがあるのですが、そこでインパクトがあったのは中国人のM男さんの話。希望したプレイが731部隊の女兵士に人体実験されるプレイだったとあり、大変複雑な気持ちになったのですが、当の女王様も複雑だったご様子だった。女王様は「旧日本軍に女兵士はいない」と説明したそうですが…結局、マルタプレイはしたとのことでした。

*1:ある小説でうんこ食わせる描写に対して「うんこを食べるのにはコツがいるって聞いたのに、何平然と食わせているんだよ」とわけわからない怒り方をしたことがある。と、いうのは過去に友人(食糞経験あり)が「食べている最中にむせると臭い」と教えてくれたり、『消された一家』ではトイレットペーパーにくるんで飲み込む…という描写があったことから。この『マゾヒストたち』には、食糞のコツが書かれているので、くさい思いをせずに知識を得ることが出来ます。食べるというよりは飲み込むそうで、噛むと臭いから…ということだそうです。そしてM男さんは噛まずに飲み込むという技術を取得する練習をしたとのことですが…人生で使わずにすませたい知識は増えていくのだな…という気持ちになりました。