衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

不全骨折日記12/1〜12/4(完結)

12月1日(木)

今日から12月。終わりに向かっていく感じは嫌いじゃないなと思う。

去年はローストビーフと作り置きとパンを用意して年始を凌いだけど、今年もその作戦で行く。

 

仕事を早上がりして、池袋ミカドへ。

丁度3回目1人目の途中だった。時間的にも定刻かと思いきや撮影タイムはトリプルだった。

ご贔屓の緑アキさんの演目は遠くから見ていたのだけど、近くで座ってみるでは、よくわからなかった空間の使い方が感じられて、後ろから全体を見るのもよいなと思った。

緑アキさんの「緑花」という演目は漢服風の衣装で踊る…ストリップでは定番と思われるジャンルなのだけど、アキさんのタトゥーがオオミズアオなのもあってか「オオミズアオの仙女様が人間の体を謳歌して踊る」というイメージになる。

人間でない生き物が人間の美女の姿でいるというイメージが湧きやすいのは封神演義に毒された世代だからだろうか。熱心に読んでいないのと、ファンの熱狂ぶりに怖気づいて未だに詳しくはないのだけど。

 

緑アキさんを見終わったタイミングで友達と合流。

友達の推しである夢乃うさぎさんを一緒に観られて良かった。赤いドレスの演目は過去に2度ほど見た気がするけど、後ろから眺めるとこんなにも空間の使い方が豪華だったのか…!と気が付くこともあるのと、友達から観た夢乃うさぎさんの話を聞いているので前より解像度が上がっている気がする。

4回目の緑アキさんの演目はストゼロOLのクリぼっちバージョン。ストゼロOLは今年の1月に初めてみた演目で、レトロさやゴージャスさがあるアキさんの演目では珍しくコミカルなもの…という印象だったのだけど、すっかり定番の演目として磨かれていて、仕事で疲れた心身によく染みてとてもボジティブな気持ちになる。

…そんな演目のクリぼっちバージョンは、一人でも楽しい酔っ払いの世界という印象で友達と二人で楽しくポジティブな感想を言い合っていた。

トリの夢乃うさぎさんの演目は猫モチーフで最高に可愛らしい演目。ずっとかわいい、本当にかわいい、友達から話は聞いていたけど、可愛いに可愛いを重ねるともっと可愛いという気持ちになるし、友達と隣り合って見ていたからか、目線を頂けたような気がするし、むしろ気持ちとしては「イモータン・ジョーが俺を見たぞ…!」である。

ちなみに好きな感じの踊り子さんと目が合うと大体は「イモータン・ジョーが俺を見たぞ…!」となる。多分、いつも着物なので、踊り子さんとしては「派手な石ころみっけ!」みたいなもんだと思い直している。

 

夢乃うさぎさんに見送られ、友達と池袋駅までほてほてと帰る。4回目終わりまでいて、見送ってもらう楽しみがあるというのは友達から聞いた話なので、改めてお礼をいえてよかったし、一緒に観られてよかった。ストリップは一人でも楽しいけど、二人で見てもまた楽しい。

 

12月2日(金)

治療院に行く前に好きな立ち食いそば屋へ。

今日はサイドメニューの稲荷寿司を頼む。甘いお揚げに酢飯が美味しい稲荷寿司だった。年末にいなり寿司を作っておくのはいいかもしれない。私は甘くない稲荷を作ろう。

甘くない稲荷は行きつけで出してもらったことがあり、気に入って一時期よく作っていた。揚げは油抜きして出汁だけで煮込み、ご飯はゆかりの混ぜご飯、紅生姜の混ぜご飯、高菜の混ぜご飯など。甘くはないのでいくらでも食べられる気持ちになる。

治療院で電気を流され、マッサージをされる。

今回で不全骨折による通院は終了。よくマメに通ったけれども、こんな思いはもうしたくないので、体を鍛えて足元に気を付けて暮らすことを誓う。

 

12月3日(土)

骨を折った所へ行ってみる。ほんの小さな段差だった。

人が溺死するのには水深は数センチあればいいという話を聞いたことがある。それよりはまだ高い段差ではあった。つまらないことで怪我をして不便な思いをしたと思うが、つまらないと蔑んだものにいつ復讐されるとわからないので、人は少しのことで怪我をしたりお亡くなりなったりすることもあるもんだな…と思い直す。

 

今日は栗橋の劇場でストリップを観る。

ここの劇場には恨みはないが、元交際相手の男がここに通っていた痕跡から私がやつのストリップ通いを知ることとなったため、なんとなく思うところがある。

劇場最寄り駅は男と暮らしていた家の最寄りからアクセスがよく、電車に乗りながら「これはやつも通った道…」と思うと思い出す事が多くある。

別れを告げられ、太った私の体を悪くいわれ、「お前は過干渉なんだよ。なんで毎回どこ行くか聞くんだよ。俺だって行く先を決めずに出かけたいこともある」と怒られたが、ストリップに通っていたのがわかって、私の中で全部腑に落ちてしまい、絶望した。単にストリップ通いたかっただけだし、私のことは全否定か、そうか…くたばれ!

多少の紆余曲折があって「ストリップは楽しいが、やつは赦さない」という結論を出したのと、ご贔屓が出来たので、ストリップは程よく楽しんでいるが、何分紐づけられたネガティブな記憶があるので、用法用量を適度にした方がいいと思っている。実際にフラッシュバックを起こしたのか、少々血の気が引いたこともなきにしもあらずなので、これは本当に守っておきたい。

 

そんな心配をよそに、栗橋でのストリップは楽しんで帰ってきた。観たことがある踊り子さんも増えたので、踊り子さんの芸風が分かってきたのと香盤の半分以上は観たことがある…なんてこともあるのでなんとなく雰囲気がつかみやすくなったし、贔屓がいないときでも観に行くことが度々出てきた。

今回は穏やかで程よく安定して楽しかろうと思ったら中々の客入りだった。周辺に何もないからか大きく席の入れ替わりもない。後ろの方だと見辛さがあるけど、踊り子さんも見せ方がわかっているのか、少し高くなった盆に上がってくれるので、ロックバンドのチケットソールドアウトのコンサートのように音しか聞こえない…などはない。

ゆったり、それなりに見えて、緊張するなにかもなく、心穏やかでよかった。

 

12月4日(日)

朝から家事をこなし、午前中にバレエのレッスンに行く。

超初心者クラスなので、先生も有象無象のレッスン生たちが怪我なく、そしてバレエを楽しんでくれたらいいなーという熱量と推測されるので気が楽。私は「ショートコント・バレエ」とでもいうべき不格好な動きしかできないのは相変わらずだが、骨折した側のくるぶしに衝撃がある。凄く痛いと云うより、ああ、痛い…程度だが、これがまだ完治していないと云うことなのだろうな…と思う。

スタジオから少し離れたところでランチをして、一時帰宅し、高円寺で世話になった人の洋服の展示を観る。お互いにダイエットに成功した話と近況に花が咲き、古くからの知人も後からやってきて、人生いろいろ…というまとめになる。

ひとまず、生き延びたからには健康でいようと思った。生きているからといって良いことがあるとは限らないが、健康でいるに越したことはないから。