衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

音声ゴアグラインド7月号

Twitterのスペースのレジュメをブログとして公開しています。
一方的に話したいこともある…。

巻頭

今月は6冊読めました。
以前は20冊ぐらい読んでいたのに、なんか悲しい。
でも、そのうち2冊は面白かったので、打率は良くなっている気がします。

今月面白かった本

熱狂的なファンがいる作家を出版史を軸に語る本。
出版史を絡めた乱歩と横溝の評伝。どちらも熱狂的なファンが多いし、思い入れもあるだろうに出版史を絡めたこと、作家は話を盛るから…など配慮したことにより敬意があり、熱が入りすぎず、読み応えを失わない良い読み物になっていた。
乱歩も横溝も詳しくないなりに好きな作家ではあるけど、特に乱歩に求めているのはアレバンドロ・ホドロフスキーダリオ・アルジェントの映画にあるようなサムシングで、実のところ私は探偵も推理もジャンルとしては熱中したことないんだなぁ…としみじみした。

ちなみに余談ですが、ホドロフスキーの映画みたいな小説はホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』です。ドノソはホドロフスキーの演劇仲間でした。本の方は恐怖奇形人間です。



映画を早送りで観る若者たちを分析した本。
社会背景から、どうしてそのような行動をとるのか、丁寧に考察しているのだけど、「うるせー!」ってならずに向き合って調べる大切さを感じる。
早送りで観る理由は数をこなして憧れのオタクになりたい、人との話題についていきたいといった理由からなのだけど…え?オタクってなるものであって、憧れるものだったの…?となる。

話の中でファスト映画を見るようになって、ホラー映画というジャンルを知り、めちゃくちゃグロい映画を知ったという話でムカデ人間が出てくる。
え?ムカデ人間は人と人とが繋がる話だよ。しかもめちゃくちゃグロい映画だなんて失礼だなぁ…ちゃんと観てよという気持ちになる。
ムカデ人間に関してはファスト映画をみただけではわからない、別に知らなくていいことが私は語れる。
ムカデ人間が日本で公開されたのは2011年7月、震災後の世界で、絆とか繋がりとかそういうものが叫ばれた時代なんですね。予告では「人との繋がりは素晴らしいが繋がりすぎるとろくなことにならない」と松尾スズキの言葉が出てくるけど、まさにそれな!である。
ムカデ人間はプロモーションが上手かった。Twitterでは独特の丁寧な口調のpostで映画をアピール、ムカデ人間というワードがあればすぐにRT、映画は3人以上繋がって行けば割引適用、そしてプロモーションで大きかったのは主演の北村昭博と飲めるムカデ合コン…ムカデ合コン、行きました。北村さんは明るいお兄さんで、4つ5つの川になっているテーブル全てに周り、参加者に明るく声をかけていて、参加者も映画好きなので、ホラー映画の話に花が咲くこともありました。

友達と繋がって入場割引適用で観たムカデ人間は…ある程度想像した通りではあるものの、北村さん演じる先頭の人が日本語で喚き散らすのは海外の映画における新たな日本人像を提供してくれた…はず!
実際、海外ではムカデ人間の先頭の人ということでホラー界のアイコンになっているご様子です。

まぁ、こんな個人の思い出話など、Z世代からしたら、別に知らなくていいこと、知りたくないことだろうけど…何かになるよりも、自分になるみたいな、そんなパーソナルなものを見つけるために映画も本も、その他いろんなものは数をこなすことになるのだけど、数をこなしたからといって何かになれるわけじゃないのだから…遊びでやっているんだよ!

次回予告?

ファストファッションについての本と、なんで読みたい本に入れたか全く覚えていない本を読んでいます。
もう少し本が読めたらいいな…と思いますが、勉強のためではないので、遊びでやっているんだよ!精神で落ち込まずにすませたいものです。