好きな作家が好きな動物について語っていると嬉しいですね。
読了。
猫エッセイ…と見せかけて猫がほんの少ししか出てこないこともある。
SF映画で電送機にかけられ失敗し啼き声だけが響く猫の事だったり、焼き肉屋の猫が愛猫そっくりだったり、占いでトラがラッキーアイテムと云われたので「トラ猫を飼い始めたんですけど」と云ったら「充分、大正解」と返される話などとりとめがないけれども猫を感じることが出来てふふっとなる。
愛猫に小さくなってもらって映画『ミクロの決死圏』の如く潜航艇に乗って自分の体内を旅して涙となって出て来て欲しい…と独自の愛を熱く語る場面は…それは良くわからないけど、猫への愛が独特でその距離感が好きです…。
ちなみに体内巡りの後、最後は涙とともに出てきて欲しい、鼻水でもいいけど、猫アレルギーだから猫を吹っ飛ばしてしまわぬように…と云っていて、やはり程よい距離がある。
著者の飼っていた猫の名前が「なると」「ねごと」とまた可愛い。
「ねごと」は最初は「遠足」という名前にしたかったけど奥さん(看護師さん。猫好き)に反対されて説得の末「ねごと」になったとのこと。
奥さんの話もあり、今までの著作の中では幸せな話が多い気がする。