衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

このところの人形×読書『人形(書物の王国)』『人形は語らない』『月刊アートコレクターズ4月号』

このところの人形×読書の成果です。

読了。

アンソロジー書物の王国シリーズの人形の巻。

ホラー寄りの扱いを受けているセレクトが多いので、そんなに掘り出し物!という気持ちにならず、結果として、自分にとって人形が如何にパーソナルなものかを思い知るなどした。

一番よかったのは種村季弘「人形幻想」。

「あどけないのに無気味、可愛らしいのに怖い」とまとめ、「無気味な背後の予感があればこそ、底なしの深層からの反射が愛らしさを引き立てる」…とある。他にも「倒錯美」「肌の下に湛えられている滅びの予感」って耽美すぎて照れちゃう!

種村季弘は彫刻に関しては「古典的な美の規範に支配され~」とあるので、人形とかなり区別している。似て非なるのである。ただ、この巻は像の話もあるので「にんぎょう」というより「ヒトガタ」の趣なんでしょう。

 

好き嫌いではなく印象に残ったのはアンリ・ド・レニエマルスリーヌ」。

印象に残った理由は語り手である主人公がクソ面倒臭そうだから。

収集癖があるオタクの夫と夫のコレクションを捨てそうな女の夫婦の話で、夫の一人称で書かれているので、わかりにくいけど…すごくモラハラクソ野郎臭がするんですよね。

まず主人公が「ぼくちんは空想好き!高尚な趣味を持っているのに妻ちゃんわかってくれない!だから妻ちゃん、頭を良くしてあげよう」みたいな所があるのだけどコミュ力というかプレゼン能力無さそうなんですよ。オタクだから仕方がないとかではなく、奥さんが美人だから選んだみたいな感じでコレクションの1つぐらいにしか思っていなかったんでしょう。

きっと「そんな事も知らないの?」などモラハラ発言するんだわ…だから、奥さんがあんな凶行に走るのではなかろうか?(注意:これらはすべて個人の偏見です)

奥さん、ベネチアを「水の真ん中まで来て建てられたこの不都合な都」呼ばわりしていて、これ、逆に別の才能があるのでは…。

そして、夫、コレクションも置きっぱなしくさいし、それで新しくてかさばるもんを買ってきたら奥さんキレますよ…。

読み方としては主人公の肩を持つのが正しい、オタク最高、オタクにとっての救い!みたいな捉え方をしたほうがいいのでしょうけど、同じ趣味でモラハラしてくる人物と趣味が違う人間的に好ましい人物だったら断然後者を選ぶ。

 

 

読了。

人形の本かと思ったら、人が作る、関わるものは皆人形みたいな考え方のマスメディア論。

著者は精神科医なのだけど、ザ・フォーク・クルセイダーズのメンバーでもあった人。本の構成が歌っていた人みたいな感じで進むのだけど、「帰って来たヨッパライ」でわかった。あの「おらはしんじまっただ~」のアレ。

本文に出てきた「これだけ情報があるんだから、みんな吟味するしかない。現在のところ、万人受けして、みんなに愛されるものしか情報は提供されないという傾向があるわけですから」って良い言葉だと思うし、自分が好きな物を見つけるのにはかなり数をこなさないといけないこともあるよなぁ…となるなど。

ただ、この本、肝心の私が好きな方の人形の話はほぼ無かったです…。

 

ARTcollectors'(アートコレクターズ) 2020年 4月号

ARTcollectors'(アートコレクターズ) 2020年 4月号

  • 発売日: 2020/03/25
  • メディア: 雑誌
 

今回、創作人形特集なんですよ。

創作人形の特集って最近はほぼ見ないので嬉しくなっちゃう。作家のセレクトで私は「ん?」と思う人ももちろんいるけど、たくさん見ることで何が好みかわかったり、グッとくるものなので、たくさん観て自分にとっての一番が見つかるといいですよね。

コレクター向けの雑誌なので各作家作品に目安の値段もあるので、売っている買えるものなのが分かりやすい。

あと人形のコレクターさん紹介もあるけど、アートコレクターズだからやっぱり数をお持ちの方だった。

人形を愛でるのは数が多くて当たり前のように感じる人もいるかもしれませんが、人形好きでも私みたいな少なく所有して大きく愛でる人もいますよ…と云っておくなど(たくさん持っている人が小さく愛でているとは言っていない)。