今年の食べもの本枠を狙えそうな本がやってきました。
読了。
イタリア在住歴が長い著者による食のエッセイ。イタリア料理、別にお洒落じゃねぇですよ、な話から日本食が恋しい!この国では、こんなものを食べたなどなど。
特に馬肉の話は私には一気に読むには官能性が高く、1回本を閉じました…絶対にこれは美味しいって話なんだもの…。
その馬肉の話しとは著者の姑による細切れにした馬肉を香草、トマトソース、ワインで煮込んだSpezzatinoというイタリアの肉料理、そして姑行き付けの馬肉屋で「生の馬肉の美味しさがわかるなら…」と出された馬肉の塊の表面にコショウとオリーブオイルを擦り込んで数時間置いたもの…という絶対に、美味しいに決まっている案件。
先日姑と彼女が御用達にしている馬肉屋に肉を調達しに行った際、おしゃべりな姑は日本でも地域によっては馬肉が生で食されることなどを忙しそうにしている店主にべらべらとしゃべりまくった。すると、店主は大きな包丁を持った手をふと「生肉、喰うのか?」と問い質してきた。「生の馬肉の美味しさがわかるんなら、あんたにざひ食べてもらいたいものがある」と言って、店の奥から肉の塊を抱えてくると、それを薄くスライスにして私の手の平にのせてくれた。
その肉屋の主人が秘蔵していた生肉は、大変美味しかった。肉塊の表面にコショウとオリーブ・オイルを摺り込んで数時間置いたものらしいのだが、肉とオリーブ・オイルの調和感が素晴らしくて、私は感動のあまりその生肉を分けてもらった。そして生の馬肉の美味さがわかりあえる者同士ということで、その店主と見つめ合って意味深にほくそ笑んでしまった。
この生の馬肉のところでエクスタシーか!ってほど興奮しましたし、肉が食べたくなりました。あー、肉欲とはよく云ったものだ。肉が食べたい欲の意味でも、官能の意味合いでも最高だ。
おにぎりなるものは日本以外の国では異様なものらしく、著者が列車で食べていたら「子供の頭みたいなものを食べている」呼ばわりされていた。そういう風に見えるんだ…。
他にも、イタリア人にナポリタンを食べさせた話や串焼きは美味しいなぁ…世界にはどんな串焼きがあるんだろう…と思って「串刺し」で検索したら残酷な画像が出て来て狼狽えたなど、盛りだくさん!
串刺しの件はイタリアはその…『食人族』を産んだ国ですから…と思うもルッジェロ・デオダート(イタリア人映画監督)の話は無かったです。
串刺しです。