時間を置いて再読すると発見があるね。
読了。
人形作家・四谷シモンの自伝。だいぶ昔に講談社新書で読んだことがあったけど、こちらは文庫版。書き下ろしで金子國義がお亡くなりになった事について触れている。私の知識が深まった結果、交友関係の記述が嬉しい。宇野亞喜良とか金井美恵子とか。
だいぶ前に読んだ割りには父親から絵の具を貰って捨てた話とベルメール人形を知って今までの人形の材料を捨てた話は覚えていた(後者は有名なのもあるけど)。
ベルメールの動く、動かせる人形に関連して内藤ルネが球体関節のアンティークドールを持っていた話があり、これは覚えていなかった…となりました。アンティークドールは管轄外なもので…あと、レザーやクロスボディだと思っていたよ…。
あと本当に個人的ではありますが、北区王子付近の話は「だいたいあの辺かな?」と見当が付くのがなんだか嬉しい。
それだけ以前読んだときよりも知っていることが増えたんだな…。
フランス滞在中のエピソードで、掃除をしてくれた女性にイミテーションの真珠のネックレスをプレゼントしたら、買い付けたアンティークドールに名前を付けてくれた話が出て来た。
名付けなるものは人形の個性の見分けが付くから出来るもので、「人形を愛するということは、そういう一見当たり前のなんでもないところに現れてくるのだと実感しました」と書いてある。人形への愛情は人それぞれだけど、こういうのはなんだか嬉しくなります…私は人形と暮らしているから。