衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

繕い裁ち、教える人生『台湾少女、洋裁に出会う』

洋服と働く女子の話しなんだから、期待大。

台湾少女、洋裁に出会う――母とミシンの60年

台湾少女、洋裁に出会う――母とミシンの60年

 

読了。

日本統治下の台湾で日本の婦人雑誌『主婦之友』『婦人倶楽部』に付いていた洋裁ページと出会い、洋裁を独学で学び、お針子さんをしたり日本に留学したり、台湾で学校を開いたり、あれやこれやの洋裁人生!…を息子が語った本。

著者のお母さまが台湾人女性の洋裁教育にも力を入れていた様子は「働く女子の話ってグッときちゃうね…」という気持ちになるし、写真も時代を追うごとに素敵になっていく。

若いころのおめかしして楽しそうにしている様子も可愛いのだけど、晩年の姿もおしゃれさんなのがとても良い。やっぱり装う楽しみはあったほうがいいですよね。

 

台湾の政治的、歴史背景的な話は最小限なんだけど、やっぱり戦争の話は出てくる。あと意外なところでは統治下でも日本人になりたいとは思わなかったどころか、日本的な名前も強要されなかったとのこと。場所や立場によるのかしら?

あと、戦時中に強要されたモンペはクソダサいと思っていたようですが、それは台湾も日本も一緒のようでした。私もあれは厭だ。

 

意外なところでは日本の流行は欧米の後追いでありながら、少なくともアジアの女性向けに手直しがされていて、台湾の女性が日本のファッションをお手本にしたという話が出てきて、意外なところで評価されているんだな…という気持ちになりました。