衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

私は醜いけどアンタは綺麗『ぽろぽろドール』

人形が出てくる非ホラーの本を発見したので読みました。

ぽろぽろドール (幻冬舎文庫)

ぽろぽろドール (幻冬舎文庫)

 

読了。

人形に纏わる短編集。表題作は平手打ちすると涙を流すギミックがある人形とその所有者である少女の話。この人形をぶっている今よりも後にどうなったかが気になるし、何、彼氏も出来て幸せになってんの?ねぇ!ってなった。

作者の中では人形の話は容姿の話(容姿の優劣の話)と後書きで書いているけど、自分の容姿が嫌いな人と人形という構図の話が印象に残った。

具体的には容姿がいまいちな女子高生が人形を愛でる「手のひらの中のやわらかな星」、男子大学生が人形を購入する「僕が人形と眠るまで」の2つ。

「手のひらの中の~」は容姿がいまいちなばっかりにヒエラルキーが低い女子が人形にクラスで一番人気の美少女の名前を付けて愛でる話で、何をしても美少女には認めて貰えない、高校生独特の心痛む話。容姿がいまいち村の住人だったので、わかる…となったよ…。

「僕が人形と~」は美しかった世界を人形によって取り戻す話なので、ちょっとポジティブではある。 人形と容姿…好きな容姿の人形を愛でて暮らしたいと思ったのは、やっぱり自分の容姿が嫌いだったのも要素の一つなのよね。

あと「めざめる五月」で人形と陰毛の話が出て来て、フフッとなった。私が陰毛は無駄毛と思っているのも多分人形好きから…。