たまに好きな作家の本を読むと安心するけど、内容は安心できない。
読了。
変人コレクションの趣きがあるエッセイ。宗教上の理由で虎に食べられて死ぬはずが、虎の檻に入れなかったので、熊の檻に飛び降り自殺し、子熊に食われた女性の話が一番インパクトあった。それでいいのかよ!
他にも葬式が出せなくて床下に死体を隠していた人、死体と暮らしていた人が紹介されていたのだけど、「遺体は1週間で黒くなりはじめる」という情報を得た。この言葉は事件後に家族が週刊誌に対して語ったインタビューの中に出てくるのだけど、父の死体を放置しちゃったけど、死体の変化にビビったから後から亡くなった母はちゃんと死亡届出したなど、え?そこ?みたいな話が出てくる。
もはや正常?な間隔がないのである。
他には著者の少年時代の話で不幸な事ばかり選択する同級生の話が出て来るのだけど、同じように不幸な選択ばかりしてしまう旧友を思い出した。共通の友人が「あのコは自ら不幸を呼び寄せている」とまで評していたので、ダブる。
その旧友から「大切な試験の前に自転車が故障しちゃって行けなかったんだよね」なんて話も聞いているし、友人伝手に「あのコ、最近はそこそこ遊んでいるっぽいんだけど、性病になったみたいでさ~」なんて話も聞いた。
著者が不幸体質の同級生に会ったときに酷い怪我の痕跡などあると様子が思い浮かんで不安な気持ちになると書いていたけど、私も旧友がそのような目に遭うのが自然と想像がついてしまう。
著者は精神科医なのだけど、患者の幻聴というのはバリエーションもあまりなく、そして薬で治せるという話もしていたので、病んで幻聴があっても治るものだと覚えておこう。それ以前に今後は病まずに済ませたい。