衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

叶わぬ欲望を胸に死期を待つ人『性の報告書 ある死刑囚の性歴』

古書は買えるときに買わないと…というのを痛感。

性の報告書 ある死刑囚の性歴 (河出i文庫)

性の報告書 ある死刑囚の性歴 (河出i文庫)

 

読了。

ゲイの死刑囚の手記。戦争孤児になり、悪党に男色を仕込まれ、その後は娑婆とムショを行ったり来たりの短くも濃い人生が描かれている。

死刑囚の手記を手に入れて本にしたという事で発行されているけど、本当の所はどうなんだろ?

このゲイの死刑囚・路村三郎が少年時代に密輸船に売られる話があるのだけど、その時に一緒に売られた少女が海外で売るために目を潰されて歯を抜かれて盲妹に改造される描写があるので、猟奇趣味の人はこの本のタイトルは知っていそう。

この本自体は鹿島茂の本で知ったはず…長らく読みたかったのだけど、過激そうな内容に躊躇しているうちに古書で値段が高騰してしまい、図書館になく、やっと古書で値段が下がったので手に入れた次第です。

期待していた分の元は取れたかな…人に利用されるだけで生きてきたが死が決まった時に娑婆の人間を観て「また美しく装って歩きたい」という生きたい気持ちが目覚めるもそれが叶わぬ終わり方は切ないです。