衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

読書

劇薬本リストを読破する~Level1編~

スゴ本の劇薬本リストを全部読んだんですよ。

アジアウルルン納豆記『謎のアジア納豆』

納豆を食べているとき以外で納豆を旨いと思う人間でよかったと思う瞬間が来るとは思わなかった。 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫) 作者:高野秀行 発売日: 2020/07/03 メディア: Kindle版 読了。 え?納豆って日本以外にもあるの?…

耽美腐敗臭『ネクロフィリア』

タイトルがド直球すぎてダメだったら怒るからな!と思いながら読んだけど、いい仕事でした。 ネクロフィリア 作者:ガブリエル ヴィットコップ 発売日: 2009/05/22 メディア: 単行本 読了。 死体愛好癖の男性による日記…という形を取った小説。 臭い、腐敗に…

ピアノで1曲弾けるまで『ヤクザときどきピアノ』

年上が新しいことにチャレンジしていて、それが楽しそうって元気が出るね。 ヤクザときどきピアノ 作者:鈴木 智彦 発売日: 2020/03/31 メディア: Kindle版 読了。 ヤクザを取材する物書きである著者がピアノを習ってABBAのダンシング・クイーンを弾くまで。 …

2020年上半期ベスト10冊

今年も上半期ベストと下半期ベストを戦わせて年間ベストを作る気持ちで上半期ベスト10を作りました。 上半期154冊中、面白かった本は下記の通りです。 龍彦親王航海記:澁澤龍彦伝 作者:礒崎 純一 発売日: 2019/10/31 メディア: 単行本 澁澤龍彦の伝記。澁澤…

猫が好き『猫と偶然』

好きな作家が好きな動物について語っていると嬉しいですね。 猫と偶然 作者:武彦, 春日 発売日: 2019/07/31 メディア: 単行本 読了。 猫エッセイ…と見せかけて猫がほんの少ししか出てこないこともある。 SF映画で電送機にかけられ失敗し啼き声だけが響く猫の…

日本の人形の歴史と扱いについて『図説 日本の人形史』『人形歳時記』『日本人形史』

最近の人形×読書の成果報告です。 全て人形の吉徳(人形メーカー)に関連した本です。 図説 日本の人形史 メディア: 大型本 浮世絵や人形の吉徳に残る資料で観る日本の人形の歴史。 図版が中心ですが、人形に注目して浮世絵を集めているって意外と見掛けない…

殉教も選択肢『クアトロ・ラガッツィ』

腰を据えて長編を読みました。 クアトロ・ラガッツィ 上 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫) 作者:若桑 みどり 発売日: 2008/03/19 メディア: 文庫 クアトロ・ラガッツィ 下 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫) 作者:若桑 みどり 発売日: 2008/03/19 メ…

趣味が合う人を探してみようか『わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる』

感想というかちょっとした思い出話というか。 わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる 作者:Dain 発売日: 2020/04/30 メディア: Kindle版 読了。 読書と本の話。図書館推奨派で量が質を産む派なので考え方が近いのが安心。本は買って読んでこ…

衛生/不衛生博覧会『図説 不潔の歴史』

図書館が再開したので、ブログもペース上げたいです。面白い本に出会えたらだけど。 図説 不潔の歴史 作者:キャスリン アシェンバーグ 発売日: 2008/09/22 メディア: 単行本 読了。 欧米における衛生観念の変遷。全員が臭ければ臭わないという導入部から始ま…

それは快感で癖になる『ファシズムの教室』

楽しみにしていた本がとてもよかったんですよ。 ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか 作者:田野 大輔 発売日: 2020/04/17 メディア: Kindle版 読了。 ナチズムについてのわかりやすい解説から始まり、ネットで話題になったファシズム体験授業について…

戦わなくてよい世界へ『男らしさの終焉』

すごく読みたかった本が期待以上だと嬉しいね。 男らしさの終焉 作者:グレイソン・ペリー 発売日: 2019/12/25 メディア: 単行本 読了。 男性である著者による古い男性観を捨ててアップデートするのが大切であることを説く本。 男性から書いたジェンダーの本…

このところの人形×読書『人形(書物の王国)』『人形は語らない』『月刊アートコレクターズ4月号』

このところの人形×読書の成果です。 人形 (書物の王国) 作者:季弘, 種村,ホフマン,エルンスト・テーオドア・アマデーウス,アンデルセン,ハンス・クリスチャン,ド・レニエ,アンリ,スティーヴンソン,ロバート・ルイス 発売日: 1997/12/01 メディア: 単行本 読…

人形と生きたあの頃『人形大使』『禁断の百年王国』

人形関係の本を読みました。 人形大使―もうひとつの日米現代史 作者:高岡 美知子 発売日: 2004/03/25 メディア: 単行本 読了。 渋沢栄一も関わった日米人形交流うち日本からアメリカへ送られた答礼人形について。メインは著者が現存する答礼人形すべてを観て…

最強の18人+α『マゾヒストたち』

世の中にはすごい人たちがいるもんです。 マゾヒストたち: 究極の変態18人の肖像 (新潮文庫) 作者:松沢 呉一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/10/27 メディア: 文庫 読了。 M男さんたちへのインタビュー集。SM雑誌での連載だったそうですが、新潮文庫…

生きて帰れども『特攻隊振武寮』

過去の本と親子や兄弟に当たる本を読みました。 特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た (朝日文庫) 作者:大貫健一郎,渡辺 考 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2018/08/07 メディア: 文庫 読了。 生きて帰ってきた特攻兵を待ち受けていたのは上官の心ない言…

攻撃性は高いが品性は低い『あむんぜん』

本に応援されたくもないし、感動もしたくないけど、思いがけなくしんみりしちゃうのは悪くない。 あむんぜん 作者:平山 夢明 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/07/05 メディア: 単行本 読了。 短編集。表題作「あむんぜん」は脳味噌をつつくと超能力が…

カニバリズムから始める人類学『人喰い』

タイトルで惹かれて読んで収穫がそれ以上にあると嬉しいですね。 人喰い (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズIII-8) 作者:カール・ホフマン 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2019/03/21 メディア: 単行本 読了。 インドネシアで原住民に食べられた(!…

諸君、私は肉が好きだ『パスタぎらい』

今年の食べもの本枠を狙えそうな本がやってきました。 パスタぎらい (新潮新書) 作者:ヤマザキマリ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/04/17 メディア: 新書 読了。 イタリア在住歴が長い著者による食のエッセイ。イタリア料理、別にお洒落じゃねぇです…

氷三部作『氷』『ブロの道』『23000』

ソローキンの氷3部作『ブロの道』『氷』『23000』を読み終えました。

悲しみの記憶に触れる旅『ダークツーリズム入門』『ダークツーリズム』

ダークツーリズムというものを知ったので。 ダークツーリズム入門 日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅 作者: 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2017/09/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) 読了。 戦争、虐殺、貧困、差別、核など負の側面を…

人形作家の人の事『人形作家』

時間を置いて再読すると発見があるね。 人形作家 (中公文庫) 作者:四谷 シモン 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/07/21 メディア: 文庫 読了。 人形作家・四谷シモンの自伝。だいぶ昔に講談社新書で読んだことがあったけど、こちらは文庫版。書き…

繕い裁ち、教える人生『台湾少女、洋裁に出会う』

洋服と働く女子の話しなんだから、期待大。 台湾少女、洋裁に出会う――母とミシンの60年 作者:鄭 鴻生 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2016/10/11 メディア: 単行本 読了。 日本統治下の台湾で日本の婦人雑誌『主婦之友』『婦人倶楽部』に付いていた…

家族が語り始めたあの人は『父 中原淳一』『夫 中原淳一』

作品と作者は別に考えろといえども。 父 中原淳一 作者:中原 洲一 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1987/04 メディア: 単行本 読了。 息子が語る中原淳一のこと。性的なものを嫌悪し、女性の心を持ち、女性を憎み(例外あり)、描いた少女たちは本人の…

私と身体と世界の違和『私はすでに死んでいる』

今年も好きな本に出会えたらブログを更新します。 更新できていないときは読んだ本が面白くなかったか、忙しくて更新できていないか、本を読んでいないかのどれかです。 私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳 作者:アニル・アナンサスワーミ…

2019下半期ベスト10冊&2019ベスト10冊

下半期ベストです。 下半期112冊中、面白かった本はこちらです。 臨床の詩学 作者:春日 武彦 出版社/メーカー: 医学書院 発売日: 2011/02/01 メディア: 単行本 読んだ後にずっとじわじわきて「嗚呼、好きだなぁ…」となった本。 マイベストオブ春日武彦でもあ…

不道徳、ゆえに真面『不道徳お母さん講座』

久しぶりに本を読んで爆笑した。 不道徳お母さん講座: 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか 作者:堀越英美 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/07/24 メディア: 単行本 読了。 「どうして、読書だけが推奨されるんですか?」から始まる道徳や…

101年の人生『ひみつの王国』

1週間本を読むうちに1冊でも当たればいいと思っているけど、これは大当たり。 ひみつの王国: 評伝 石井桃子 (新潮文庫) 作者:尾崎 真理子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/03/28 メディア: 文庫 読了。 翻訳者で児童文学者の石井桃子のこと。明治大正…

和洋それぞれ『裸形と着装の人形史』『人形の文化史』

人形と暮らしている私が書いているブログなので、人形を扱った本の話もします。 裸形と着装の人形史 作者:岡本 万貴子 出版社/メーカー: 淡交社 発売日: 2012/03/09 メディア: 単行本 読了。球体関節人形がちゃんと体を作って服も着せてあるのは何故?という…

鉄のカーテンの向こうから『テトリス・エフェクト』

生まれて初めてプレイしたゲームのこと。 テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム 作者:ダン・アッカーマン 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 読了。 ご存知ソ連生まれのゲーム「テトリス」の誕生と権利を…