衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

少しだけいつもと違う事を期待して『本のなかの少女たち』

少女ネタは食傷しつつも、それでも何か見つかることを期待してしまう。

本のなかの少女たち (中公文庫)
 

読了。

物語に出てくる少女たちについてのエッセイ。30年前の本なので挙げられる少女たちが出てくる本が古典に思える作品が多い(『若きウェルテルの悩み』、『罪と罰』、『嵐が丘』、『青い麦』、『春琴抄』など)。

かつて少女であったけど、少女だったかというとわからないし本の中の少女も共感できなかったという前書きにやっぱりかー!となった。他には「少女にとって父親の愛情は大きな支えになるのだろうか?」と書かれているけど、父親の愛情が少女に自信を持たせているようにみえても、そうだと決めつけることは父親に恵まれない少女があまりにも哀れだとという気がしてしまうと書かれている。

ちなみにこの著者の父は太宰治で、著者が1歳の時にお亡くなり。

 

少女まつわる話になると、(幻想やゴスなどの偏ったジャンルの場合だけかもしれないけど)近親相姦が絡むことがあるので父親の存在を重視しないのはちょっと新鮮。

しかし、食傷の対象にならなさそうな作家が書いた少女論にしてみたのだけど、しっくり来ることはないから少女ネタは難しいね。

ただ、別の本(たぶん、春日武彦の本)で紹介されていた『ガラスの動物園』がこの本でも紹介されていたので気になっている。

あと著者はワーグナーブリュンヒルデが初めて共感を覚えた少女だそうだけど、私もマルスリーヌ(マンディアルグ「仔羊の血」のヒロイン)と出会ったのは随分後だから忘れた頃に見付かるものもあるんだなぁ…となるなど。あと、この本、不思議の国のアリスについて触れていないので、それだけで新鮮な気持ちになる…それだけ食傷しているんだな…。