衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

繰り返す日常と不穏『硝子障子のシルエット』

本で知り、また本を読む。

硝子障子のシルエット―葉篇小説集 (講談社文芸文庫)

硝子障子のシルエット―葉篇小説集 (講談社文芸文庫)

 

 読了。

掌編集。島尾敏夫は『死の棘』以来。日常で出会う不穏な感じや不安定さは掌編の方がいいな。猫が居着いて死んだ話、鶏の話、家族の事が繰り返される。息子に対して容姿にあまり恵まれていないように見える娘を可愛いと思うようになり伝える「ニャンコ」がぐっときた。容姿について悩んだ時期が長いので、母が娘を肯定する話は弱いみたい。

この本自体は春日武彦の本で「鶏の死」が紹介されていたのだけど、急に死にそうな鶏を押しつけられて、そして何も出来ずに死んだら狼狽するわ…。

 

死の棘 (新潮文庫)

死の棘 (新潮文庫)

 

夫の浮気を知り、精神的におかしくなっていく妻…そんな夫婦(子供二人いる)の不即不離の生活を書いた私小説。元はと云えば、浮気がばれたのがいけないんでしょ…って思うので何の同情もない。良かったところ…妻が夫の浮気相手をフルボッコにするシーンがあったことかなぁ…。

そして『硝子障子のシルエット』のあとがきが妻のモデルになった作者のパートナーで複雑な気持ちになりました。