面白い本だったのだけど、読書メーターで記録数少ないし、感想をあまり見ないので寂しい。
読了。
『胃袋の近代』読了。大正時代を中心に外食や共同炊事といった労働者の食とその周辺について論じた本。
食べものにありつける幸せや皆で食事をとることで生まれる平等や連帯感、食べることがもたらすことについてグルメではなく食べるのは生きることというのを実感するなど。
娼妓の人が「楼主の奥さんが私たちが涙とお尻で稼いだ金で着飾って自由に出かけるのはおかしい」と語ったり、貧しい子供たちも華族のように育てたいということから始まった保育園がパン屋からパン耳を貰っておやつにしたとか、飯屋の茶碗の欠け方を記録した人がいたとかところどころのエピソードが染みる。
追記:他にも女工さん向けの食事を作る人たちが「どのおかずがウケがよかった」など研究していたり、女工さんによる「(お給仕する人が)味噌汁の具を多くしてくれて嬉しかった」とエピソードが出てきたり、客の目の前でご飯を盛る、1枚皿ではなく、お茶碗、小鉢、汁物と分けることを意識的にしていた食堂の話も染みる…
元々はALL REVIEWSで知りました。
レビューというよりプレゼンですが、これを読んで読みたいと思ったのでリンク貼っておきます。