衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

己の世界にはないものがある世界に踏みこむ『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』

読書量が多くなってきて、ちょっと怖くなってきた。

仕事のストレスかな…。

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

 

読了。 

ボルネオの狩猟採集民族プナン人と暮らして考えたあれこれについて。別次元の話が展開されるので新鮮。

タイトル通り「ありがとう」「ごめんなさい」に相当する言葉がない、反省しない、ものは借りても返さない、返したとしても壊れたまま返す、後の学習によるものではあるものの個人所有という概念があまりない、時間というものの捉えからの違いなど、「異文化交流の大切さというのは(中略)自分たちとはどうしようもなくちがうモラルを提示され、善悪の判別がつかないグレーな世界に踏みこむということなのだが」という深町秋生の言葉*1を思い出すような話が大量に出てくる。ちなみに深町秋生の文章は異文化交流ってそういうのじゃあねえだろ、異文化交流って云うのはな…という感じなので、正しい異文化交流ではある。

ちなみに著者自身は異文化交流にかんして、あるはずのものがなく、それに適応していくことを「自分の形を失っていく」と書いている。

尾籠な話で恐縮ですが、男女相互の性的快感を求めて取り付ける性器ピアス「ペニス・ピン」、変わったトイレ事情、犬に赤ん坊の排泄物をなめとらせる、排泄物品会などのシモの話が多かったからか、結構いい感じに読み進められました。

元がWeb媒体での発表も読みやすさの一因かしら。

 

この本は、古書店の納品書の裏書で知りました。

本を読む楽しさを求めている人間なので、こういうのは大変ありがたい。