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本、人形、素体

人形ヴィジュアルショック:球体関節人形とヴィジュアル系バンド(主に90年代後半)

私がヴィジュアル系バンドから球体関節人形に入ったので、バンドと人形のお話。

当然、先にまとめている人がいました。

d.hatena.ne.jp

 

なので、上記の記事と被る部分も多々ありますが、補完していくような気持ちで書いていきます。

人形に関しては創作人形で作家物という縛りで紹介していきます。

 

天野可淡吉田良×LUNA SEA

IMAGE

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1992年5月に出たこのアルバムのブックレットに天野可淡の人形と吉田良(当時の名前は吉田良一ですね)の人形が登場。友人がここからKATAN DOLLを知ったと云っていました。

今もなお創作人形界隈では大きな存在である天野可淡、そして人形教室「ドールスペースピグマリオン」の主宰で数々の作家を育てた吉田良…どちらの人形も使用されているなんて豪華!

 

天野可淡×BUCK TICK

このアルバムに収録されている「SABBAT」という曲にKATAN DOLLがおります。

元のアルバムの発売は1990年2月です。

少し悪魔的な雰囲気がする天野可淡の人形ですから、BUCK-TICKのPVにはよく似合いますね。

 

 

吉田良×BUCK-TICK

2007年のツアーパンフに協力しているとのこと。

pygma.exblog.jp

吉田良トークイベントに行った際に「取り上げてもらえるのはうれしいこと」ということで、比較的どの媒体にも協力的な様子を感じました。が、似合うところに提供されていると嬉しくなりますね。単に私がBUCK-TICKが 好きなだけですが。

 

堀佳子×黒夢

1994年に黒夢のヴィジュアルイメージに堀佳子の人形が採用されたとのこと。

友人から「夢中占夢」では?とのこと。

黒夢―夢中占夢(むちゅうゆめをうらなふ)

黒夢―夢中占夢(むちゅうゆめをうらなふ)

 

これがきっかけで人形の世界に入った人もいるようです。

堀佳子の人形は書籍のタイトルにも使われた「生き人形」という表現を使われますが、お顔の表情に心奪われた人も多い様子。

 

 

恋月姫×MALICE MIZER 

Gardenia

Gardenia

 

2001年のシングルジャケットに恋月姫の人形を採用。

元々人形っぽい人たちなので、これは合う!

恋月姫はビスクによる球体関節人形が有名。耽美な作風でファンも多いですが、簡単に手出しできない値段設定も憧れに拍車をかけます。その一方、過去にトークイベントに行った際に「出来上がった人形は、どこかに行ってほしいと思う」というなかなかロックな発言をされていた記憶があります。

 

 天野可淡×メリー

 

Beautiful Freaks(初回生産限定盤A)(DVD付)

Beautiful Freaks(初回生産限定盤A)(DVD付)

 

 

 

Beautiful Freaks

Beautiful Freaks

 

 

限定版、通常版が天野可淡の人形!
メリーはジャケットに丸尾末広のイラストを使用するなどしていますね。
このメリーが天野可淡の人形を使ったことはお世話になっている方から教えて貰いました。

 

清水真理×ムック

新痛絶[完全限定生産盤]

新痛絶[完全限定生産盤]

 
新葬ラ謳[通常盤]

新葬ラ謳[通常盤]

 

画像が出せたのが最近のアルバムですが、清水真理とムックの組み合わせは多いです。

1999年に出したミニアルバム「アンティーク」のジャケットに清水真理の人形を使用。その後2000年のシングル「娼婦/廃」のジャケット、2001年のアルバム「痛絶」のブックレットに人形が登場しています。このアルバムツアーではステージに人形を飾り付けたりもしたそうですが、これは私がどこかで読んだ記憶があるだけで裏付けはできていません。

 …ここだけ妙に記載が多いのは、私がムックから球体関節人形に入ったからです。

 

清水真理はアニメーション作家出身で、チェコ人形アニメーションにも大きく影響を受けているとのこと。作品の仕上がりなども映像の小道具感もありますが、実際に映像作品や舞台用の人形など活動も多岐にわたり多作。

 

 

ひとまず、アラサーの私が自分がいわゆるバンギャだった頃のバンドかつわかる範囲のバンドでまとめてみました。

あと、ヴィジュアル系バンドにはネットが発達する前にミニコミという文化があって、その中でも文系寄りの特集をしていたアプレゲールというミニコミがありました。

そのミニコミでムックが特集されたときに人形特集が組まれたことがありました。新進気鋭の作家として清水真理、三浦悦子、小道具屋進一が取り上げられ、人形に関するコラムも多く、天野可淡四谷シモンについても触れられていたので、大変良いスタートを切れました。

 

主に作家とバンドの組み合わせで観てきましたが、ヴィジュアル系バンドからすると黒い耽美な世界を構築するアイテムに人形という存在がなじんでいたんじゃないかと思います。

上記のバンドではBUCK-TICKに「DOLL」という曲もありますし、MALICE MIZERの「月下の夜想曲」は道化師の人形を拾って少女の人形とめぐり合わせるという内容の歌詞になっています。上記以外ではPENICILLIN「X・X・X」という曲(本当にX・X・Xって曲名です)では「幻覚に震える人形」なる一説が出てきます。なんのこっちゃ…という感じですが、90年代ヴィジュアル系バンドというのは「耽美ではないお兄ちゃんたちがいろいろ頑張って耽美っぽく仕立てた歌詞」というのが大量にあります。

耽美じゃないからヴィジュアル系バンドは最終的にヴィジュアル系じゃなくなっちゃうのかな~というのはさておき、BUCK-TICK「DOLL」はゴシックをテーマにした『十三階は月光』というアルバムに収録され、もともと耽美な精神をお持ちのMALICE MIZERは上記の紹介の通り恋月姫の人形をジャケットに採用、ムックは約二十年経ってもジャケットに同じ作家の人形の写真…というわけでヴィジュアル系の世界では耽美さや異様さを演出してくれる存在として重宝されているようです。

 

 

余談。

三浦悦子さんの人形が出ている映画『バイロケーション』のテーマに黒夢ゲルニカ」が使用されていて、予告を観たときにグッときました。

 

追加

恋月姫×D

闇の国のアリス/波紋

闇の国のアリス/波紋

 

Twitter氷雨さん(動く!!!お餅のバンギャスタンプの作者さん)より情報提供。

これは知らなかった!アリスの名前を使って恋月姫の人形を持ってくるという「さすがです…」というセレクト!