衛生ゴアグラインド

本、人形、素体

首を巡るお話『首切りの歴史』

 

首切りの歴史

首切りの歴史

 

読了。

 

史実、美術、事件など切断された首の話。 干し首は需要があるから作られた話から続く章が日本兵の首が戦争の土産物として人気だったという話でダメージを受ける。 昔の話とはいえ、同じ人種が酷い目にあっていた話は気がめいってしまう。

発見があったのは1944年、日本兵の頭蓋骨がお土産にされて、その首を観ながら女性が手紙を書くという写真がアメリカの雑誌に載ったところ批難が殺到したというエピソード。終戦前だからあちらでは日本人は人間扱いされているか怪しいと思っていたけど、そんなこともあったのね。

 

ちなみに日本人の頭蓋骨は主に南国の戦地ですでにお亡くなりになり肉が腐り堕ちるなど骨の状態になったものが多かったとのこと。意外と首を切って持って帰っても骨にするのには労力がいるらしく、他の章から総合すると人間の頭蓋骨を綺麗に取るのは難しい様子…また一つ無駄賢くなりました。

が、動物の頭蓋骨を採るときもちゃんと肉をはがしたり、脳みそを出さないといけないし、意外と手間がかかるので、そういうことかもしれないですね(経験談)。

 

余談

首切りの歴史の本なのでギロチンの話も出てきますが、ギロチンの製作者がチェンバロ職人と記憶していたところがピアノ職人になっていて、翻訳の関係か原文がそうなのかちょっと引っかかった。が、そんなところに引っかかるのは私か友人か熱心なイノサン読者かと思う。

 

干し首は数点しかないのに干し首博物館と呼ばれている博物館があったけど、それをいったら明治大学博物館も刑事部門が目立つので一部で拷問博物館って呼ばれている。展示の目玉があるとその事で俗称ができるだなと思うなどした。

 

…それにしても残酷な読み物を読むのに体力を要すようになりました。体力の衰えを感じずにはいられませんが、きっとどこかで私の感性が変わったんでしょうね。