異種婚姻譚『シェイプ・オブ・ウォーター』

シェイプ・オブ・ウォーター』鑑賞。

アカデミー賞受賞後でサービスデーだったので、映画館が満席でした。

 

冷戦時代のアメリカを舞台にした声が喋れない清掃員の女性と南米で捕らえられた謎の生物の恋愛映画なのですが、良かった…とても良かった…。

 

ヒロインであるイライザは妙にキュートで、孤独なようでいて同僚には恵まれているし、隣人にして友人とも仲がいいので、規則正しく味気なさそうな日々でもそんなに不幸そうに見えない。

特に南米でとらえられた彼と心を交わすうちにどんどん可愛く見えてくる。ヒロインが恋する魚人の彼は鍛え上げられた肉体のようなシルエットで美丈夫。デザイン面でかなり苦心したインタビューを観たのですが、確かにこれは心を交わすうちに「あなたが好き!」ってなるのは納得の出来。そしてかくまわれた後はバスタブにいる様子が可愛い。

 

一方でエリートでしっこしたあとに手を洗わないストリックランドは絵にかいたようなアメリカの幸せな家庭(しかも映画の中におんなじような絵が出てくる!)をお持ちなのに全く幸せそうに見えない。上司に無理難題を突き付けられたり、家庭の様子が描かれたりやたら描写が丁寧。

 

この話の人たちは基本的に幸せそうに見えない。ヒロインの同僚は夫との関係が上手くいっていない、隣人は画家だが売れずそれ以外にも問題を抱えている。魚人だって南米では神様だったのにアメリカ軍につかまって虐待を受けている。皆それぞれ不幸なのです。

だけど、彼らがヒロインに協力して魚人の彼を施設から脱出させるシーン及びラストはストリックランドを出し抜くカタルシスがあって観ていてとても気持ちが良かったです。

 

 

おまけ

全体的にまとめた文章でうまく織り込めなかったのですが、魚人の解剖に反対するホフステトラー博士の人間味が映画的にベタな役どころであり、複雑な事情も抱えると同時に映画の中での去り際が格好良かったです(本当はすごいことになりますが)。

同監督の『パシフィック・リム』で博士の人物(それも2名)がアクが強かったので、ホフステトラー博士が薄味に見えてしまいますが、作品の流れの良さを取ったのかな~とふと思うなどしました。重要な人物なのですがね。