衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

病であっても肯定する『痩せ姫』

 

痩せ姫 生きづらさの果てに

痩せ姫 生きづらさの果てに

 

 読了。

 

摂食障害の低体重の女性を痩せ姫と呼び、考察しつつ愛でている本。実際に痩せ姫へのラブレターと書いてあり、文章が痩せ姫への好意に満ちているので、読み心地が良い。

 

痩せ姫たちの食事(吐くこと込み)などの生活事情、SNSでの交流、歴史上や文学の世界の痩せ姫の紹介や、フィクションにおける物語と結び付けての考察、実際に著者がネット上での痩せ姫とのやり取りでの出来事で構成。

死に至る病でもあるのですが、痩せ姫からの卒業も惜しんだりせず送り出す方針が伺えます。

大量に食べて吐くためにバイキングに行き、店を追い出されて悲しみ、そして痩せ姫同士で「みんなで行けば店をつぶせるんじゃないか」というやり取りは正直ひいてしまったものの、これもまた痩せ姫事情のうちの一つなんでしょうね。

この件に関しては「一定の慎みを持っておくことで、店側の印象も多少良くできるのではと思います」と著者も書いてはいます。

家庭がなければ風俗で働く痩せ姫に会ってみたかったと書いているものの、痩せ姫の体格と同時に痩せを維持するストイックな精神に惚れ込んでいるそうで、フェティシズムを表立って出してはいないのもいい。

痩せ姫事情に驚くことはあれども、全体的に著者の何かを愛好する熱意を感じられた良い読書でした。