救い無きこの世界~映画『無垢の祈り』

映画『無垢の祈り』を鑑賞。

平山夢明の短編小説の映画化で、学校ではいじめられ、家では実の母は宗教狂い、義父からは性的虐待…そんな少女が救いを求めたのは、町に現れた殺人鬼だった…!

というのが筋書。

 

画面に映る川崎の工業地帯、少女役の福田美姫ちゃんのとても可愛いが明らかに虐待されていそうな容姿、昭和を感じさせる散らかって薄汚れていそうな部屋が明らかに見る平山夢明の小説になっていて、再現度が高い。

原作からの変更点はいくつもあるけど、見ている間は気にならなかったし、直接的な描写ができないので人形を使った表現も虐待された子供が自分がされているのではなく、人ごとのように感じる自衛のように取れるのでとても良い効果だったように思います。

 

少女の眼帯のあるなしで時系列が少し変えられている?と思うところもあり、どこまでも救いはないように思えども、願いが叶ったと思えるラストは原作を読んだ時と同じような安堵がありました。

 

 

観る側の倫理観を揺さぶる、殺人鬼に救いを求めた少女を描く『無垢の祈り』|【10/8公開】亀井亨監督×原作・平山夢明が語る「異様な空間だった」撮影現場 - 骰子の眼 - webDICE

監督と原作者の対談。原作者太鼓判な内容で、私もこの監督にはほかの平山夢明作品を映画化してもらいたい。

 

 

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

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 「無垢の祈り」収録。初めて読んだときは「Ωの聖餐」が一番好きでした。

平山夢明の小説は私にとって当たり外れが激しいので、「一部ですごく人気の汚くて美味い店で、食べて好みと違うことも多いけど、すごく好みに合うものもあるから嫌いともいいがたい」みたいな位置にいます。