衛生ゴアグラインド

人形を愛で、本を読み、肉を食べる

少しだけいつもと違う事を期待して『本のなかの少女たち』

少女ネタは食傷しつつも、それでも何か見つかることを期待してしまう。

本のなかの少女たち (中公文庫)
 

読了。

物語に出てくる少女たちについてのエッセイ。30年前の本なので挙げられる少女たちが出てくる本が古典に思える作品が多い(『若きウェルテルの悩み』、『罪と罰』、『嵐が丘』、『青い麦』、『春琴抄』など)。

かつて少女であったけど、少女だったかというとわからないし本の中の少女も共感できなかったという前書きにやっぱりかー!となった。他には「少女にとって父親の愛情は大きな支えになるのだろうか?」と書かれているけど、父親の愛情が少女に自信を持たせているようにみえても、そうだと決めつけることは父親に恵まれない少女があまりにも哀れだとという気がしてしまうと書かれている。

ちなみにこの著者の父は太宰治で、著者が1歳の時にお亡くなり。

 

少女まつわる話になると、(幻想やゴスなどの偏ったジャンルの場合だけかもしれないけど)近親相姦が絡むことがあるので父親の存在を重視しないのはちょっと新鮮。

しかし、食傷の対象にならなさそうな作家が書いた少女論にしてみたのだけど、しっくり来ることはないから少女ネタは難しいね。

ただ、別の本(たぶん、春日武彦の本)で紹介されていた『ガラスの動物園』がこの本でも紹介されていたので気になっている。

あと著者はワーグナーブリュンヒルデが初めて共感を覚えた少女だそうだけど、私もマルスリーヌ(マンディアルグ「仔羊の血」のヒロイン)と出会ったのは随分後だから忘れた頃に見付かるものもあるんだなぁ…となるなど。あと、この本、不思議の国のアリスについて触れていないので、それだけで新鮮な気持ちになる…それだけ食傷しているんだな…。

本が読みたい

本を読むスピードが落ちている。

他にやりたいこと、気がかりなこと、読みたいと思って意を決して読んだ本が自分に合わなかったなど、心当たりはあるけれども、読みたい本は出来る限り読んでおきたい。

図書館で借りたい本は80冊ほど、読書メーターに登録している本は50冊ほどあり、その一部は被っているとはいえ読みたい本は常時100冊を超えている。そして常に補充されるためかなかなか減ってくれない。

…もう少しなんとかならないのかなぁと思えども、本は数ではなく、いかに面白い本に出会えたかであるはず。

しかし、数をこなさないと面白い本には出会えないので、結果として数が増えていく。

さて、下半期は面白い本に出会えるかしら?

 

生まれて不遇『裁かれる大正の女たち』

読み応えある本が知れるのが嬉しい。

裁かれる大正の女たち―「風俗潰乱」という名の弾圧 (中公新書)

裁かれる大正の女たち―「風俗潰乱」という名の弾圧 (中公新書)

 

読了。

大正時代の事件や新聞の投書、身の上相談からみる女性が如何に差別されていたかということ。自分にとって都合が悪い、理解できない女(特に若い女)はとにかく叩きたいんだなぁ…というもの。100年ほど前とはいえ、現代に通じる話もあり根深さを感じずにはいられない。

結婚したければ男性は性病検査をしろ!っていったら女尊男卑とされた話が出て来たけど、流行だった近年の梅毒も女性の検査を促す方向ばかりだったのを思い出すなど。大正の男性の性病にかかっていない自信はなんなんだろ?

他には性に関連しては身の上相談で、子供が沢山出来て困っている貧困家庭の女性の投書への返答が「避妊して生活が楽になっても国が滅んだらどうする。避妊を考えるなど間違い」というものだった。アフターピルを安価で解禁したくない考えってこれもありそう…と頭抱えた。

 

一方で、恋愛に関しては大正に比べると自由度が上がった気がする。伯父からの手紙を恋人からの手紙と勘違いした教師が女子生徒を詰めまくってそのコが発狂してしまった話が出てきたり、大正時代の新聞記事で好きでもない人と結婚したくなくて、逃げて結局捕まった女性の話が「まずまず目出度く結婚式をすませたり」と書かれていてぞっとした。人の気持ちは関係なしだぜ!…っていうのはあんまり聞かないから(あったらごめんね。わからなかったらそれは私が世間知らずなだけです)。

 

大正というのは私が大学の時に多少調べたことがある時代なのだけど、当時の教育…そもそも女学校に行ける人間は少数で、高等女学校令も良妻賢母教育なので女性が学べることに制限をかける酷い文章なのを改めてこの本で知る。

私が大学で女学生の事を調べていた頃にどう思ったかを覚えていない。本当に必要なことしか調べず、こうした歴史背景の事はおざなりだったのかも。

ただ、私の思想もだいぶ変わったんだろうなぁとは思う。生まれ持って変えられないもので不当な差別があればそれは怒りを感じるから。

一方で大正・昭和初期の女学生時代を数少ない幸福な時間のように捉えていたのはあながち間違いではないかもしれない。

結婚したらどんなに別れたい不遇なことがあっても、新聞の身の上相談では「ご辛抱なさいまし」と云われるだけなんだから。

今年の夏の100冊、何冊Yometa?

各出版社の夏の100冊がそろうと何冊読んだか数えてしまう。

新潮文庫24冊、角川文庫11冊、集英社文庫5冊…新潮文庫ノベルティ目当てで読んでいた時代があるので、やっぱり多いですね。

集英社文庫の100冊は読んだ心当たりがある本がなさ過ぎて、これは0冊になるのでは?と思いましたが、幸いにして読んだ本はありました。

集英社文庫だと平山夢明があるんですね。

 

他人事 (集英社文庫)

他人事 (集英社文庫)

 

ハードカヴァー版はトレヴァー・ブラウン、文庫版は画像だとルイス・フライシャーの作品もしくはロッキン・ジェリービーンのイラストのようですね。

 

前にも書きましたが、母が新潮文庫の100冊を本当に100冊読んでみるという縛り読書をやっていて、嫌いな作家の本に当たるたびに「修行だと思って読みます」と云っていたのを思い出します。

…本なんて焼き払っても足りないほどあるのだから、好きな本を読むとよいんですけどね。

 

 

外国語学習意欲、あるいはそこからまだ一歩も動いていない

特別な日にいくことが多いお店でランチ。

ランチを頂いているとシェフと対応してくれたスタッフさんが喋っていたのはフランス語?で話しているようだった。

私は日本語しか話せないものの、フランス語でありがとうぐらいならなんとかわかる。

「めるしー」って云ったら、通じたけど「いえいえそんな…」みたい反応が…違う言語だったかな…。

なかなか言語は難しいですね。

英語教師の方と雑談した際に「明確な目標がなければ外国語は無理して学ぶ必要はないですよ」と云われたのと、簡単な道案内はスマホでできるとはいえ、話せるようになったらいいなぁという漠然な気持ちは捨てきれていません。

 

追記。

後日、「あそこのスタッフ、フランス人ですよ」と云われたので、日本人スキルが高い方のようです。

亡命後の世界

前の職場が辞めて良かったとしか思えない状態になっている。

辞めると決めたその日から、ディストピアだと茶化していたけど、今の状況は逃げてきた国が崩壊しそうになっているのを亡命先からみているような感じ。

 

私の人生はそんなに派手は無いけど、映画だったらジャン・ピエール=ジュネの作品みたいにしてほしい。時々肉を解体するなどの映像が入ったり、サイドストーリーで人形たちが動く…というものならきっと楽しかろう。

そして、あのディストピア職場が潰れたらそこのパートだけ映像の世紀みたいにして欲しい。

普通にとらわれぬほうが良い『家族という呪い』

家族関係の本は気になるもの。

家族という呪い (加害者と暮らし続けるということ)

家族という呪い (加害者と暮らし続けるということ)

 

読了。

犯罪者とその家族について。犯罪は性犯罪が多い。

物事は込み入っている事が多い、犯罪もその一つ…という趣旨の言葉がシーラッハの本に出て来たけど、この本でも家族関係の悪さの積み重ねで起きてしまったのでは?と思うような事が多い。

妊活を夫に強要した結果、夫が性的に興奮する要素を求めて性犯罪に手を染めた話や、犯罪者になった夫と絶対に別れない高学歴妻、犯罪者になったことにより母が自殺しやっと開放された気になった犯罪者など様々な事例が出てくる。

こうした事例の後に出てくる提案は普通の家族が幸せという価値観を捨てろということなのだけど、要はそれぞれに幸せがあることを許容することである。

それは様々な人が苦しまずに済む考え方だと思っている。