中川多理さんの展示が始まったので、りーぬを連れて行きました。
ほーら、しばらく住んでいた浅草橋のパラボリカだよ。
会場内では、中川多理さんのご厚意で小さいマルスリーヌとの写真を撮ることもできました(掲載許可はとっていないので、こちらでは未掲載です…中川多理さんのインスタグラムにあります)。
元々目立たないコだったのですが、私のもとに来て、オーナーさんたちに「可愛い!」と云われまくったので、「りーぬ、よかったねー」となるなど。
中川多理さんの展示は5/28までです。
今月は13冊本を読めました。好きな本しか読んでいないし、本を読んだ数など自慢になりませんが、少ない人生経験からするとこういう時は大体気が狂っているので心配です。
読了。
短編集。表題作は盲目で耳が聞こえなくてとんでもないタトゥー入れている美女:ロザリンド(本名は多恵)とさえないおっちゃんの恋愛譚。表紙がロッキンジェリービーンによる美女なので、だいたいこんな感じの可愛いコかな?と再生されやすい。
他に自殺願望のある美女との恋愛「人形の家」があるので、癖が美女との恋愛がやたら印象に残るも、流れ者と親のいない兄弟が出てくる「日本人じゃねえなら」、人間一周目のカップルによる児童虐待「おばけの子」などがあると、やっぱり平山夢明だ!となる一冊。
「人形の家」で主人公がアパートに帰るときにカレーの香りがするのに気がついて俺の家だったらいいな、と思ったら俺の家だったってすごくいい描写だったし、「おばけの子」の唯一の幸せの描写も痛ましくも印象に残る。
平山夢明は周囲で好きな作家に挙げられているのですが、周りの熱狂ほど好きになれなかった時期があります。あんまり好きじゃないけど、たまに行くとおいしいものがあるような近所で評判の店みたいな気持ちでしたが、2010年以降の作品はどうやら好みの作風が多いようなそんなことに気が付きました。
奇妙な情熱にかられて―ミニチュア・境界線・贋物・蒐集 (集英社新書)
読了。ミニチュア、境界線、贋物、蒐集といったものに焦点をあてて語った本。
プライスガイドありのゴールがあり仲間も見付けやすいコレクションをすることに対して「関わり合いたくない」というのに、確かに…と思うなど。
私は自分の心に潜む蒐集癖に対してときおり「うんざり」してしまう。なぜなら蒐集癖には、きわめて卑しい心性がつきまとうからである。
他人を出し抜いたり、無知につけ込んだり、駆け引きをしたり―そんな具合にコレクションをするにはまことに「あざとい」「えげつない」振る舞いが伴いがちである。独占欲や自己顕示欲に駆り立てられた挙句に、コレクターは貪欲さの化け物となる。それが嫌なのである。(P195より)
私はコレクションはしていないものの、コレクション要素が強いものに興味があったり、後に所有したりしているので、「こんなものを持っている」「自分の方がもっといいものを持っている」などマウントを取られることがあった。
こういう輩は本当に関わり合いたくないし、常に満たされぬ何かのために新たに集め続けなくてはいけないようでキリがない。集めることが目的になっている人は趣味が同じでもげんなりするし、前にも書いたように、コレクションというのは金のあるやつの勝ちでセンスなどたいして要されないのである。数を自慢されるとその話をいつも思い出す。そもそも趣味でつながりたいという気持ちは薄いのだけど。
私の話はさておき、著者がトイレットペーパーの包装紙を集めていたが、他に集めている人がいて本を出していたという話があった。現物では無いけど友人が写真を撮って集めていたので、意外と同じようなことをする人間はいるものだなぁと思う。
今日は半分休みにして家事や読書などしておりました。
読了。
副タイトルが「つい、おかしなことをやってしまう人たちの話」なので、実際に診たおかしな人や文学作品から紹介。屋根裏に人が住んでいると主張する人は他の本で読んだ覚えはあれども、出てくる出てくる変な人…。
今回はニヤニヤしてて違和感のある世辞をいう人が職場の人とダブってくるなどしました。
こちらの承認欲求の塊みたいな人にダブります。
いちいち違和感がある世辞を言ってくるのだけど、あれは本当になんなんだ?
ちなみにその人との関係ですが、会う頻度は減ったものの、会わなくちゃいけないときは高確率で厭な思いをするので、人の形をした呪いなんじゃないかと思っています。
そして作中に出てきたニヤニヤ笑いで違和感のある世辞を言う人はひったくりで捕まったそうです。
友人がやっている治療院に行ったところ、「したくもない仕事を続けているようじゃ数か月後老ける」と云われ、「抑うつの傾向がある」とまで云われた。何をやっても癒されないどころか、未来が暗くどうにもならない。
話は前後するが、鍼灸師の友人に恋人のお母さまがうちの母と同い年ながら若かったと伝えたところ「あなたのとーちゃんのモラハラを受け続けていればそりゃ老ける」と云われる。
父はナチュラルにハラスメント体質なので、一緒にいると恥ずかしく厭な思いをするのだけど、合わせたことがない友人にそこまで云われるのはなかなかのものな気がする。
読了。
文学作品や自信の目撃談から考える老いについて。副タイトルは「歳を取りそこねる人たち」なのだけど、いい老人のロールモデルの少なさ、見つけられなさにしんどい気持ちになるなどした。もうどうやって老いたらいいのかわからない。 吉屋信子「黄梅院様」という短編が紹介されていた。日本が戦争に負けたら自害してしまいかねない老人を蔵に閉じ込めて戦争は続いていると信じ込ませていたという小説なのだけど、東西ドイツの統一を母に知らせないようにする映画『グッバイ、レーニン!』の日本版みたいだね(もちろん吉屋信子の方が発表は先)。